内容紹介
700万人と推計される糖尿病予備軍を糖尿病にしないために,特定健診・保健指導が2008年4月から始まる.本書はその実施(予備軍の発見と生活指導)に必須の知識を30の原則にまとめ解説した実践的でコンパクトな本.第一線のドクター,保健師,糖尿病療養指導士などにお薦めの1冊である.
レビュー
本書序文より2型糖尿病や高血圧や高脂血症がある,あるいはすでに心血管病を発症している“メタボリックシンドローム”例においては,心血管イベントの防止,再発阻止をめざして的確な治療がなされるべきであり,一般医療現場で実践されている.しかし,内臓脂肪蓄積型肥満以外の因子がいずれも“未病状況”にある例では,メタボリックシンドローム状況を早期に診断し,改善させるべく指導することが今,求められている.
2007年11月14日は国連決議に基づく第一回「世界糖尿病デー」の行事が世界各国,日本各地で盛大に催された.私はニューヨーク国連本部での式典に参加した.記者会見,討論会などが開催され,世界中のマスメディアに五つのメッセージ,すなわち,1糖尿病に対する世界的レベルでの認識の構築を─患者だけではなくあらゆる医療関係者において,2糖尿病を抱える子供・高齢者・原住民・移民・妊婦への理解を,3糖尿病予防・管理・治療のための国家的政策の推進を,4糖尿病による血管障害発症・進展の阻止と生活の質の向上を,5毎年11月14日を世界糖尿病デーとして行動を続けること,などが繰り返し提示された.
医療先進国日本において最も重要であり,かつ効果的なことは国民の知的レベルを活用して,発症予防に力を注ぐことであろう.
本書は,糖尿病予備軍とは何か,どのような点に着目して効率よく発見するのか,具体的にどのように教育して生活習慣を改善してもらうのか,そのアウトカムはどのように評価するのか,などについて,日頃そのような問題点と“格闘している”若手医局員が執筆したものである.
諸先輩たちの厳しいご批判をいただきたい.
2008年3月
順天堂大学医学部内科学・代謝内分泌学
河盛隆造