江部先生の最新版。
最近は対談本、レシピ本、ダイエット本、実践本が続きましたが、この本は2010年時点での最新理論中心の本格派のご本です。
但し、本格派でも挿絵が豊富でしかもルビ付き、実に解り易くあっと言う間に読めてしまいます(笑)。
肝は前書きに尽きます。即ち(18p)、
『理論面において、2009年に一つ大きな変化がありました。正確には2004年に米国であった変化に、私が気がついたのが2009年ということです。すなわち、米国糖尿病協会によれば食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わり、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。一方蛋白質・脂質は血糖値に影響をあたえません。1997年版の米国糖尿病協会の見解では「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」という記載がありましたが、2004年版では削除されています。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質であり、現在動脈硬化の元凶として問題とされているグルコーススパイク(食後高血糖)を引き起こすのは3大栄養素の中で糖質だけです。従って糖質を摂取しなければ食後高血糖は生じず、血糖値はリアルタイムに改善します。一方カロリー制限をしても糖質を摂取すれば必ず食後高血糖を生じます。このような重要な生理学的知識ですが、欧米では医師も看護師も栄養士も糖尿病患者さんも皆知っています。日本では医師でさえも、ほとんどの人が知らないのが現状ですので、まさにガラパゴス状態でおおいに問題です。』
先月(2010.11.)、名古屋春日井の糖質制限の雄・灰本元先生は講演会で、江部先生とは長年の友人であると前置きした上で「今の江部式民間療法ではアトキンスと一緒の轍を踏む。ドンドンちゃんとした医学的なデータを出して研究会で発表し、論文化して学会活動につなげないと未来は無い」との趣旨の発言をされました。
来年には名古屋で糖質制限の研究会(「日本low-carbohydrate diet研究会(略称:ローカーボ食研究会)」)が旗揚げするとの事。
将来、学会にまで発展する事を願います。
灰本先生のこの挑発発言に発奮されたのかどうなのか(笑)、江部先生は医学小雑誌『医と食』(渡邊昌編集長)今月号(2010.12.)に早速、最新論文を発表されました。
関心のある方はこちらにも当って見られればと思います。
この論文では最新の糖質制限理論・データ群に触れる事が出来ます。
第6章はQ&A。212pからは糖質制限的OK・NG一覧表付き。
もちろん星は5つ。全ての糖尿病人にお勧め出来る作品です。