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精霊の王
 
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精霊の王 [単行本]

中沢 新一
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,415 通常配送無料 詳細
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商品の説明

商品説明

   学者であれ作家であれ、代表作となるべき書物は、読む側にもおのずとわかってしまう。中沢新一はそう感じさせる著作の多い書き手ではあるが、なかでも本書の存在感はぬきんでている。中沢の信奉者ならずとも見過ごしにすべきではないだろう。

   本書の主人公は、日本に国家が現れるはるか以前から活動していた最古層の神、精霊シャグジである。シャグジは国家権力の確立とともに社会のおもてから姿を消すが、著者はこの精霊が芸能・技能の守護神「宿神(シュクジン)」として力強く生きつづけたと考える。室町初期の能楽師・金春禅竹がのこした「明宿集」(著者による現代語訳を併載)によれば、猿楽の「翁」として表現されたものこそ宿神であり、宇宙の根源であるという。さらに興味深いのは、国家に追いやられたはずの宿神が、じつは権力のみなもとに横たわっているという視点だろう。天皇家では、「宿神=翁」に見られる神話的な力こそ、本来その権威を裏づけるものだったのだ。

   この考察は、いうならば知の分野から権力へ向けた根本的な問題提起である。それだけですでに充分すぎるほど刺激的だが、著者の思考はさらに壮大な発展をとげる。世界中からさまざまな神や説話を探し出し、宿神との関連性を提示してみせるのだ。対象は仏教の摩多羅神、朝鮮半島の神話、はてはアーサー王伝説にまで及ぶ。今さらながら、その奔放な想像力とたくましい理論構築には脱帽せざるをえない。

   著者は、民俗学に関心をいだく父親の影響で、おさないころからシャグジの存在を身近に感じていたという。じっさい、本書は亡き父に捧げられてもいる。地球規模の広がりを見せる著作がきわめて個人的な記憶に発しているのは、どことなくふしぎな気もするが、すぐれた仕事というのは案外そんなものなのかもしれない。(大滝浩太郎)

内容紹介

哲学の裏に潜む未分化の原始象徴思考の秘密哲学の後には原始象徴思考が渦巻き栄養を供給する母胎となっている―論考の中心を猿楽金春祥竹の著作に置き、古層に隠されてきた「後戸」的世界観を解明する。

登録情報

  • 単行本: 388ページ
  • 出版社: 講談社 (2003/11/21)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062118505
  • ISBN-13: 978-4062118507
  • 発売日: 2003/11/21
  • 商品パッケージの寸法: 19 x 13.4 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 傑作と言っておこう! 2003/12/22
形式:単行本
「アドレッセンスの時期に読んだ本の中で…」(あとがき)などのセンテンスを読むと、中沢だなぁ、と感動する。これだけでもファンはたまらないが、本文でも壮麗でちょっと大げさな形容詞群やすぐに文学に流れる華麗さをたっぷり堪能できるのだ。この本はまさに中沢節全開なのである。

でも、中身はいたってというか、正真正銘の思想書たりえている。諏訪信仰圏に見れる「宿神」信仰を皮切りに、読者は時空を超えて展開される思考と想像力の海へ投げ出されるのだ。その心地よいこと。中沢は本書で「野生の思考」「新石器時代の思考」「アフリカ的段階」と賞される人類最古の知をひたすら目指している。そこは言語がまだ到達していない未明の領野だ。しかしそこは俗世の創造と破壊を担うまさに「哲学の後戸」なのである。
もし、思想家を思考し得ぬものを思考しそれを言葉にする者を指すならば、あまたの「現代思想のレジュメ屋さん」を掻き分けて、中沢は本物の思想家たりえている。吉本の衣鉢を継ぐのは彼だろう、そう実感できる一冊。

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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 神々の父母=シャグジをさがせ 2009/7/26
By カルロス VINE™ メンバー
形式:単行本
◆縄文時代の精霊

 武蔵野の古い神社の境内から、しばしば縄文時代の遺跡が発掘された。石棒、石皿、丸石などが生活の道具とともに発見されていた。神社本殿の脇の摂社、小祠などに石棒や石皿がご神体として祀られていた。シャグジ、シャクジンなどと呼ばれていた。

 柳田国男の調べによると、その神が日本列島の全域から見いだされた。この神は国家が形成される以前の、神道以前の神の姿である。古層の神というより「精霊」である。

◆空(くう)より来たりし力

 我々の世界=現実の世界は、仏教で言う「空(くう)」に根拠を持っている。空は潜在空間とも言える。「空」は彼方にあるのではなく、いたるところに偏在している。むしろ現実世界はその「空」に包み込まれているとも言える。

◆宗教に閉じ込められた神

 この世で活動している「力」のすべては、「空=潜在空間」から出現する。力はいずれ元の生まれた場所に戻っていく。
 ところが国家の出現によって、その「力」を社会の中に取り入れてしまうトリック(=宗教)を作り出した。カミは社会に持ち込まれ、名付けられて(=人格神となる)、神社の中に納められてしまった。
 本来のカミ=シャグジは忘れられ、小さな祠にそっと眠っている。

◆シャグジは芸能の守護神となっていた

 しかし、芸能(猿楽、能、蹴鞠など)や技術など職人(園芸、古式捕鯨など)の世界ではシャグジは宿神(シュクジン)と呼ばれ、守護神となっていた。
 宿神が住まう不思議な空間の成り立ちそのものを、芸能のかたちに洗練してみせる。列島の中を移動しながら伝えていったのである。

◆シャグジをさがそう

 シャグジはシクジ、シュクジノ、宿神、粛司ノ神、祝神、姉后神、敷神、守宮神などとも呼ばれている。
 シャクジは天照大神などの神々の父母とも言うべき根源の神である。道端の祠を調べてみよう。
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36 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 本年度ベストワン 2004/8/19
形式:単行本
~著者の叔父である歴史学者の網野善彦さんの書いた「無縁・公界・楽」という書籍を読んでいて、いまいちピンとこなかったところが、この本を読んでなるほどと納得がいきました。柔道でいうところの合わせ技一本です。

網野さんの主張する「無縁の原理」ってやはりそうだったのかと深く得心した次第です。

~~
日本人の心の深層にあるものを知りたい方にお勧めです。

~~
現在、私は日本とは何かを知りたくて色々な本を読んでいます。特に日本人にとって宗教とは何かに特に興味があります。日本は神道や仏教をはじめてしてありとあらゆる宗教にかこまれているのに、何故日本人は無神論者だと言われるのか、また日本人自身がみずからをそうおもっているのか、私には不思議でならなかったのです。

~~
そのなかでこの「精霊の王」は私に多くのことをおしえてくれる素晴らしい書物でした。この本がこの一年間で読んだ本のなかではベストワンです。~

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5つ星のうち 5.0 中沢新一でなければ書けなかった本
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投稿日: 2006/10/9 投稿者: ぽか
5つ星のうち 3.0 縄文への旅程
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投稿日: 2005/9/6 投稿者: doracuma
5つ星のうち 4.0 before 神道
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投稿日: 2005/7/24 投稿者: 照柿
5つ星のうち 5.0 思考の奇跡かこじつけか
この人でなきゃ書けない。ドンと構えた神社の陰に隠れてほそぼそと祀られてきた小さな精霊たちは、実はこの国のこころや文化(芸能・工芸)の源流なのだという夢のような話を... 続きを読む
投稿日: 2004/9/18 投稿者: ソコツ
5つ星のうち 4.0 王は、縄文にいたのか弥生にいたのか
わたしたちはこの40年、多くの縄文についての知識を手にしてきた。... 続きを読む
投稿日: 2003/12/12 投稿者: 無堰
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