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精神科医がものを書くとき (ちくま学芸文庫)
 
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精神科医がものを書くとき (ちくま学芸文庫) [文庫]

中井 久夫
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

著者は高名な精神医学者であるだけでなく、ヴァレリーやギリシャ詩の達意の翻訳者であり、優れたエッセイストとしても知られている。自らの研究とその周辺について周到な考察を展開した「知られざるサリヴァン」「統合失調症についての自問自答」「宗教と精神医学」や、学問的来歴を率直に記した「私に影響を与えた人たちのことなど」「わが精神医学読書事始め」「近代精神医療のなりたち」、精神科医の立場から社会との接点を探った「微視的群れ論」「危機と事故の管理」「ストレスをこなすこと」など、多彩で豊かな広がりを示す17篇のエッセイをまとめる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中井 久夫
1934年、奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。現在は神戸大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 332ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2009/4/8)
  • ISBN-10: 4480092048
  • ISBN-13: 978-4480092045
  • 発売日: 2009/4/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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25 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 医療関係者を相手にした講演や、ミニコミ誌から取られてるものが多く、最近の本よりも、ずいぶん思い切ったことを書いているな、という印象を受けます。《躁うつ病者は、自己価値感情が株価のように乱高下しています》(p.137)というのはなるほどな、と。第二次大戦で日本の精神病患者の半数は栄養失調プラス結核で亡くなり、ドイツは餓死者こそ1/4だったが5万人を安楽死させている、なんてのもすごい話だな、と(p.173)。

 第二次大戦中に梅毒患者をマラリアに罹患させ、熱に弱いスピロヘータ・パリーダを殺すマラリア療法が生み出され、精神科でもっとも悲惨だった第四期梅毒がなくなって病院は清潔になったとか、抗精神薬は心臓を停止する時間を長引かせるための交感神経、副交感神経の両方を遮断する麻酔科の薬だった(p.175-)というあたりも、なるほどな、と。《自我というものまとまりがある程度のダメージを受けたとします。その原因が脳炎であろうが、何であろうが、ダメージを受けたために普通の対人関係ではやり通せないような人には精神科の固有のテクニックが必要である(p.185)》という言い方も素晴らしいと思います。

 クラスメートとか職場の同僚とかの大きさの人数が人間にとって一番処理しにくく、日本人で一番、対人恐怖症が発生するのはこの規模の人たちに対してであり、ネズミでも一つの檻に7-8匹ぐらいだとうまくやっていくが、それ以上増やすと30数匹までの場合はネズミは痩せていくなんても、初めて聞きました。この7-8人〜30数人という中間的な数の人間関係は、個体としても集団としても対応できないから、人間関係が扱いにくい、と(逆にネズミは30数匹以上だと集団一本槍の対応でいけるので太り始めるそうです、p.206)
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25 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Zaan
形式:文庫
高名な精神科医である中井先生のエッセイ集です。

精神科医が書くエッセイというと、特殊な知識、
特別な体験に基づく特権的地位の高みから、
他人に診断名をもじった様々なレッテルを
貼りまくってふんぞり返っているだけというのが、
目に付きます。

中井先生のエッセイは、そんな底の浅いものとは
対極にあるものです。
1冊に17篇のエッセイが入っていますから、
いずれもそう長い文章ではありません。
しかし、どれも深々とした見識を感じさせる
ものです。
教養豊かな叔父さんの話をゆっくりと聞くと
いった趣きのある本です。

エッセイ集の文庫本にしては、少しお高いですが、
内容と比較すると高くないと思います。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
中井先生はものを書く時に、次の条件を自分に課しています。
「文章のために患者を売らない」
「依頼原稿しか書かない」
頭の痛い精神科医はたくさんいるはずです。

本書の中で「近代精神医療のなりたち」の章の考察が興味を引く。
家康の医学顧問曲直瀬道三が「医は仁術なり」と規定し、
医学から宗教やまじないを排除した。

西洋でこれが行われたのは19世紀で、日本の方がずっと早いというものだ。

しかるに今はどうであろうか。医者と患者は、者=者関係だが
精神分析家と患者は、家=者関係で、
宗教家と信者の家=者関係にはなっていないだろうか
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