登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
29 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
イタリアの試みが詳しく書かれています,
By
レビュー対象商品: 精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本 (単行本)
「鉄の扉の奥に押し込めることを正当化するような精神状態など、本来ないのだ」というバザーリアの考え(p37)をもとに、精神病院(精神病床ではなく)をなくしたイタリアの精神医療のプロセスが、丁寧に描かれています。たとえば、精神病院を閉めるための法律180号を制定するには、「病院がなくても患者を支えられること」「患者を支えるために、もっと良い装置、つまり地域精神保健サービスがある」という点を証明しないといけないのですが、1970年代のイタリア二大政党がともに手を取り合って制定を後押ししたそうです。わが国ではとても考えにくいことで、精神病院をなくすことは正しいことなのだという信念の強さが伺えます。 わが国で、精神病院を無くそうという機運が高まることはあるのか、と考えると、積極的に「なくそう」というよりは、地域での生活支援を充実してゆこうという考え方が広がっているようです。本書では、「狂人の復権」という用語とともに、日本で行われている「べてるの家」や「包括型地域支援プログラムACT」「東京ソテリア」などを紹介しており、精神医療もだんだんと変化しているのだなと知りました。
33 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
平等な人間関係を願うすべての人に役立つ,
By クリスティン (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本 (単行本)
バザリア医師の歴史に残るドデカイ業績を、この本は余すことなく教えてくれる。彼の偉業の原点は、精神の病にかかった患者を自分と同じ人間として見ていたことにある、とこの本は言う。ファーストネーム呼び合う人間が、幽閉され、拘束され、土間に打ち捨てられていたら? それを見て黙ってはいられないのは当たり前だ。また本が紹介する、1990年来日した時のロテッリ医師の講演記録にも、感銘を受けた。彼は、精神病院をなくし、「生活丸ごと」めんどうをみるようなサービスへの移行を強調している。そして、精神科医や看護師などサービスをする側の対等の人間関係、その人たちとサービスを受ける側(患者)との対等の関係をめざそうとする。バザリアの息子と呼ばれているそうだが、こういう革新的な理想の持ち主が、いま、WHOを通じて世界各国の政府に対してインパクトを与えているのはうれしい。日本政府よ、日本の医師よ、ただちに行動せよ、と叫びたい。 この本は、精神保健改革をめざす人たちへの専門書であろう。しかし、この本を読んだら、世直しの基本は、ファーストネームで呼び合える人間関係をつくることにある、ということを確信できるようになる。その点で、人権軽視の政策に怒るすべての人、平等な人間関係を作りたいと願うすべての人に役立つ。
38 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
必要なのは病院ではない!,
By ばた - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本 (単行本)
不朽の名作「ルポ精神病棟」(朝日文庫)から、早40年弱。精神科病院や医療観察法を巡る問題は沢山出ているけれど、「ではどうすればよいか」を体系的に論じた本に、ようやく出会った。ジャーナリストの鏡とも言える筆者の文体にどんどん引き込まれていく。イタリアではなぜ精神病院を「捨て」ることが出来たのか、の秘密が、濃密な取材に基づき明らかになってくる。重い精神病の人は一生病院にいるしかない、といった訳知り顔の偏見や先入観は、木っ端みじんに吹き飛ぶ。 もちろん、なぜ日本は精神病院を「捨てない」のか、という理由にも切り込んでいる。業界の「教科書」では決して取り上げない、しかし業界関係者がささやく、「捨てない」社会的理由が明らかにされる。さらに、その日本が精神病院を「捨てる」ための「希望の胎動」も、最終章で述べられている。必要なのは病院ではなく、何なのか? それは本書を手にとって、納得しながら味わっていただきたい。 久しぶりに、何度も読み直したくなるルポと出会えた。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|