...でもやっぱりこれは私だけじゃあなくて、全世界の人が観るわけじゃないですか。
その観た方たちがどういうふうに思うんだろうということを、思われる前に自分が
それを見てどう思うかってことの方が先で、世間は後からついてきてくれればいいわ
みたいな気持ちになって観に行ったんです。
もしそれでもあなたは悪よって言われたら、それはその人の考え方だから、私はもう
なんにも言えません。 ( P128 第4章「私たちが映画に出た理由」より )
試写会に行こうか悩んだ末に会場にやってきた女性はこう語った。
映画の中で、子どもを死なせてしまった母親であることを語った女性だ。
やはり、この人(たち)は...自分の足で立って、「自分の意思」で決めているのだ。
こういう人(たち)なのだ。
また、
第5章「精神を「治す」ということ」の「 「見かけ上の効率」と「真の効率」 」で、
山本医師と想田監督の対話で語られること...
山本 ...効率に関しては本当に凄い。
しかし、それでうまくいく部分も確かにあるんですけれども、心の病の人、
一人ひとり全体を見ようと思うと、やっぱりいけない。
想田 逆に効率が悪いということですかね。患者さんを管理するのにはいいかもしれ
ないけれど、病気を治すとか、...、人間性を回復していくとか、...という
意味では、効率が悪いのでは。
.....
想田 ...当事者を管理するのではなく、病棟を開いて皆さんに主体性をもって
もらったほうが、よほど効率的だったということですよね。
ここでいう「皆さん」とは、治療にあたる医療スタッフ と 治療を受ける側の双方の
こと。 この双方が、「主体性」をもつ ということなのだ。
医療スタッフと患者の、(人間としての)対等さ。
<ともに>もつべき「主体性」。
ここにも、強烈なメッセージがある。
そして、
監督が貫いた「モザイクをかけない」こと、の効果。
意図していたこと と できあがってから、作品が教えてくれたこと。
「責任を引き受けること」の意味?意義?
この本は、それを語っている。
やはり、DVDでは特典映像として収められているこの本の内容は、
『精神』<本編>の最高のレビューになっています。
できることならば、
まずDVDをご覧になって、自分が感じたことをじっくりと味わってから、
この本を手にされるのがよいかと思います。