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17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
普通の啓蒙書,
By エヌ爺 (神奈川) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 精神病というこころ―どのようにして起こりいかに対応するか (単行本)
本書は,精神分析家である著者が,広く精神医療や精神保健に関わる人々,そしてさらに患者やその家族に統合失調症についての理解を深めてもらいたいという願いを込めて著したものである。本書の特徴は,当然のことながら説明概念として精神分析を用いていることである。まず,精神性的発達論による精神障害の説明が行われている。これは,一般には分かりにくい内容であると思われるのだが,随所に母親と乳児,子供といった喩えやイラストが使われるといった工夫が加えられている。さらに,妄想・分裂態勢,抑うつ態勢,投影・取り入れの心的機制が提示され,それに基づいて妄想性不安,破滅・解体の不安などの精神病的不安の性質が説明される。ここには,クライン,ビオンの学派の流れを汲む著者の見識の発露があるといえるだろう。基本的な対応についての議論は,一般に望ましいと考えられている常識的な対応が展開されているといってよいであろう。そして,薬物療法の必要性が説かれ,慢性期における服薬指導とかSSTが推奨されていることに示されるように,標準的な心理教育と共通の部分が多くなっている。 しかし本書で展開された議論の本当の価値は,本書の最後の「補章精神病状態への心理療法的アプローチ」に表現されている介入にこそあるように感じられる。なぜなら,精神分析の諸概念は,単なる説明概念としてでなく,治療で用いられてこそ,その価値を発揮するものだからである。そしてこの部分の記述からは,著者の特別の熱気が伝わってくる。それだけに,この僅かな分量の章と,その前の一般的な記述との間に大きな溝があるように評者には感じられてしまうのである。本書の最後の部分で提示された治療概念としての精神分析的発想の方を,どのように一般に普及させることができるかが次の課題になるとするのは,精神分析の門外漢である評者の性急にすぎる考え方だろうか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
統合失調症を対象関係論より説明する,
By パン - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 精神病というこころ―どのようにして起こりいかに対応するか (単行本)
本書は一般の人を対象にして、統合失調症の患者さんのこころにどのようなことが起きているのかを精神分析のなかの対象関係論によって説明するものである。 その症状は一般の人にとって、不可解で不気味に感じられる。なぜ、そのような症状となるの かについての理解が得られれば、そのような無用な不安を持たなくてすみ、その対応に戸惑い を軽減することにつながるだろうという目的で記されている。 松木氏はビオンに強く影響を受けているが、ビオンの理論をそのまま語るのではなく、臨床の 中でえられた自身の経験に基づいた対象関係論によって述べている。 極期の破滅解体不安、慢性期の妄想、躁的防衛、抑うつポジションへの移行の意味がよくわか ると思う。本書は一般の人を対象としているため、非常にわかりやすい。 対象関係論をはじめて学ぼうとする人は本書をはじめとするのがよいのではないか。
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