下巻は上巻に比べ難しい。全体としてほとんど理解できなかった。
なのでレビューできる立場なのか微妙だが、それでも書いてしまおう。
下巻の前半はほとんど意味不明。
特にアンティゴネーのくだりは、意味不明というよりマニアックすぎてつまらない(ギリシャ語ではどうとか、翻訳ではどうとか、博学ぶりというか、個人的にはひけらかしにしか思えない箇所が続く)。
ただ、墓に閉じ込められたアンティゴネーが急に泣き言を言うくだりから「アンティゴネーの二度の死」と解釈するあたりは何やら重要そうなのだが、評者はうまく理解できなかった。ここは、ギリシャ文学ではアンティゴネーの感情の揺れと解釈されがちなところだが、精神分析的には、というかラカン的には別の解釈があるのだろう。象徴的な死と現実的な死なのかな?どなたかレビューを通じて乞教示。
圧巻は最後の数ページだろう。
「お兄さんを弔いたい」という想いを決して曲げなかったアンティゴネーの振る舞いから、精神分析の・・・評者が考えるに理論ではなく実践としての・・・精神分析における倫理を結論付ける。
労働をしたり、日常生活を過ごす中で何がしかの満足を覚えることが大事なのではない。「己の欲望を決して諦めないこと」が大事なのだと!
「己の欲望を諦めない」!なんとも倫理的ではない倫理ではないか!