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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
おとぼけ怪奇談シリーズ第二弾,
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レビュー対象商品: 粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫) (文庫)
デビュー作「粘膜人間」に続くシリーズ第2弾。とは言え前作と直接的な関連があるわけではないので独立して読んでも全く問題ありません。 物語の設定が軍国主義による支配が続く戦時下の「日本」であることと異形の「人外」が当り前のように我々と共存している世界。 その設定は前作を踏襲しております。 前作はとにかく「変なお話」の印象が強い作品で、よもや第2弾があるとは思ってもみませんでした。 で、今回本作を読んで感じたのは「やっぱり変」だということ(笑)。 ですが前作以上に「奇妙な味」がきちんと確立されていて、これはこれで魅力的です。 今回も3篇から成る連作ですが、先行するパートに後篇のエピソードが組込まれていたり、意外な結末に至る伏線があちこちに散りばめられているなど、 前作より格段に構成が練られていて最後まで飽きずに読めます。 猟奇色は今回も健在ですがエログロ度は前作より(若干)トーンダウン。 しかし本作が前作より上出来なのは何より主人公の色づけに工夫があるからだと見ました。 第一・三話の月ノ森雪麻呂、第二話の間宮勝一、この両者は共に性格が破綻しているだけでなく 強大な権力を嵩にきた傍若無人な振舞いで他の登場人物たちを阿鼻叫喚の修羅場に巻き込む訳ですが、いづれもなぜだか憎めないところがあります。 それは妙に人間臭い所であったり年相応の子供らしさであったりするわけです。 本作ではそんな彼等が各々の無体な行為に対して何らかの報いを受ける顛末が描かれているわけで意外と健全な(?)お話になっております。 それもあってでしょうか。意外とさっぱりとした後味になっておりますのでご安心を。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
凄すぎる,
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レビュー対象商品: 粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫) (文庫)
人間の深層心理にある、目を背けたくなるけれども、でも見てしまうといった展開を描くのが非常に上手い。凄惨でグロテスクで醜い争いや、倒錯した変態性行為など、寒気や鳥肌を覚えつつもワクワクドキドキしながら読んでしまう。 作品の構成や、文章力表現力も前作から更にパワーアップした印象。 ラストのどんでん返しも御見事。トラウマに残る作品を描く作家で、飴村行の右に出る作家はいるのだろうか。
15 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
坊っちゃん応援歌,
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レビュー対象商品: 粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫) (文庫)
3部構成で、それまでの流れをぶった切り、全く違う状況に投げ込まれるような場面転換と、そのそれぞれが強烈な色彩を放っている世界は前作同様。グロテスクな主旋律に、どこか上滑り(いい意味で)しているようにキャラクター、そして奥底には純愛。二次大戦下の物語か、となめていると、1ページ目からいきなり現れるヘルビノで尻餅をつくことになり、あとは、一気に、次から次へと現れる狂気のビジュアルに引き込まれる。 第一部は、雪麻呂の権力に翻弄される真樹夫の物語。残酷・グロ描写はあるものの、小粒で助走に丁度いい。ホルマリンのプールを照れることなく出すのもいいね。 第二部は、真樹夫の兄、美樹夫が戦地で遭遇する秘境冒険もの。『フラグメント超進化生物の島 (ハヤカワ・ノヴェルズ)』が『ジュラック・パーク』だったのに対して、こちらはヤコペッティ、というか『食人族』(笑)。ワニの脳を刺激する生理的嫌悪感。クリーチャーが、CGではなくて、血肉を備えているのが魅力的。 第三部は、雪麻呂の母と従姉妹に対する愛の物語(一番人体破壊率高いけど)。そして、愛はホラーに最も近い。また、最初から散りばめられていた、雪麻呂の母の行方を示す伏線が回収される様はミステリのようでもある。 ラストの、愛情と狂気と恐怖が一体となった一行は、凄すぎて笑った。 描写に眉をひそめる人もいるかもしれないけど、かなりエンタメに徹していると思う。 でも、一番の見所は、坊っちゃん応援歌だろうなぁ。「キチガイ地獄外道祭文」に比肩すると言ったら褒めすぎ?(笑)
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