登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
端正な構成が、「粋」の印象を強くしている,
By
レビュー対象商品: 粗茶を一服―損料屋喜八郎始末控え (単行本)
デビュー作とは思えない質の高さを持った傑作、そのシリーズ第三巻。江戸の息吹を伝える用語を地の文にそのまま使用、 読み手にとり難易度は上がるものの、文章を高い品位に保っている。 そしてまた全てを語らない端正な構成が、「粋」の印象を強くしている。 時代物にありがちな札差=金持ち=悪者という 単純な図式を廃した多面的な人物設定、 以前までの巻なら主人公に相対するであろう 敵役との心の交流も描かれ、物語に更に深みを与えている。 各巻、各々の短編には一幅の絵になる場面が用意されていたが 本巻最後の短編は特筆すべき、刃のように冷ややかな 切れ味鋭いビジュアル性を誇る。やはり傑作である。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
一力ワールドの始原と評される人気シリーズ第3作。異例の構図で広がりに期待。,
By
レビュー対象商品: 粗茶を一服―損料屋喜八郎始末控え (文春文庫) (文庫)
一力ワールドでは真っ正直で一途な思いを持つ主人公が活躍する作品が多いのだが、本作品では幾重にも人物設定に工夫が凝らされている。テレビの長寿番組「水戸黄門」が終わってしまうように、今日では単純な勧善懲悪の物語はもう流行らないのかも知れない。現代で言えばリサイクルショップの損料屋という看板の裏で、いわば私立探偵でそのうえ正義のためには“始末”さえもためらわない特殊工作員である喜三郎のグループが本来の主人公。本作では、これまでの敵役であった札差伊勢屋四郎左衛門と互いに度胸と才能を認め合う不可思議な関係を基にひそかに手を携えて事件に立ち向かうことになる。 三話仕立てで、富くじ発行権をめぐる詐欺に絡む一話では“猫”が、二話目では“茶”がキーワードになり、札差仲間の主導権争いに絡む悪事をあばく。最終章の三話は陰影の深い“にゅうめん”にまつわる話だが、これだけで終わらずに次の物語の始まりを暗示しているようだ。 本当のワルはまだ明らかにされていないと思うが、時代は寛政の改革のとき。徳川8代将軍吉宗の孫、11代将軍と目されていた松平定信が大繁栄の田沼時代の後に、倹約を説き武士の借金を棒引きにする棄捐令をはじめとする緊縮政策により大不況に陥ったとき。 今後話がどのように広がるか、見逃せない。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
安定している,
By
レビュー対象商品: 粗茶を一服―損料屋喜八郎始末控え (文春文庫) (文庫)
この作者は尻切れとんぼのような作品が最近多いが、このシリーズは安定していて、人に勧めることができる。 とはいえ「粗茶を一服」と「十三夜のにゅうめん」はやや消化不良。 「粗茶を一服」はご都合主義が強すぎないか。 言外の意をこれほどちりばめ、また隈無くそれを汲み取る悪党という図にそれを感じた。 それほど勘働きがよい連中が考えたにしては、悪事の図面が稚拙に過ぎる。 「十三夜のにゅうめん」は次回作への布石かもしれないが、一冊に収録された作品として見るには蛇足に感じる。 全体としては、伊勢屋という人間の強さと弱さを表現するのに、猫札の仕置きはよかったが、祟り話は不似合い過ぎないか。 祟りなんぞ恐れて商いができるかと言ってこそ、さすが伊勢屋というものではないか。 この本では、伊勢屋四郎左衛門という男の人物像の掘り下げが全体にあって、そのどれもが峻烈であった分だけ、祟り話は下世話で残念だった。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|