1万ページを超える国会議事録を読み、上下2冊にまとめたというだけでも十分価値があるが、本書の魅力は、著者の鋭い視点が盛り込まれた解説にある。そのため、国会答弁特有の回りくどい表現もすんなり理解できる。幸い専門用語には脚注が加えられているので、国会中継を見て挫折した人にもわかりやすい。ここに掲載されているのは当然、金融当局や政府要人の発言であり、注意深く読めば彼らの重要な意図が読めてくる。プロの投資家や経営者はもとより、個人にとっても資産運用の重要なヒントとなるだろう。
上巻だけで400ページを超える分厚い本であり、通読するには骨が折れるが、すべて会話文なので読みやすく、かつトピックごとにまとめられているので、関心のあるところから拾い読みすることもできる。普段、国会答弁を見る機会のない人や、要人の発言を今後の経済動向を読むヒントとして活用したい人に、ぜひおすすめしたい。(土井英司)
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そんな木村氏の著書、といっていいのだろうか。
このような表現になったのは、
本書のベースが1万ページにもわたる金融問題についての国会議事録だかである。
そこに、鋭い指摘を加えて上下巻併せて1000ページにまとめている。
そこで繰り広げられる議論は、「匠の技」である。
追い詰める議員、はぐらかす柳澤(前)大臣。
間抜けな質問をする議員、あしらう柳澤(前)大臣。
そういった形で委員会室で対峙し、白熱した議論を繰り広げる。
熱いな議論なのだ。
「そこだ、パンチだフック」などと訳の分からない合の手をうちたくなる。
うちたくなるのには、訳がある。
そこで行われている議論に情熱がこもっているのだが、よくわからない話はある。
それでも打ちたくなる合いの手が出てくるのは、
著者による親切な解説が理解を助けてくれるからだ。
そういった付け焼刃での知識を持っただけでも、
目の前に繰り広げられる熱い論戦に引き込まれていく。
なにしろ、登場人物は政策を作っている第一線の人物なのだ。
また、発刊された時期がタイムリーだったということもある。
実際、刊行された後、内閣改造で柳澤氏は更迭され、
著者は不良債権処理特別チームに入ると報道された。
熱い議論と書いたが、そこに問題があったわけではないことは、
タイトルの「粉飾答弁」が示している。
どのように粉飾されたのか、またその影響はどのようなものだったのか。
当時の金融庁は「大本営」であったのか。
そんなさまざまな視点から読める本書は、
金融に興味のある人はもちろんのこと、
合いの手打つような門外漢にも有益な計二冊である。
T.T
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