各方面から指摘されている「アメリカと中国の緊密な関係」をレポートした上で、東アジア情勢を分析した本です。著者の専門分野である中国はもちろん、アメリカや北朝鮮関連の情報収集と分析も見事でした。特に中国と北朝鮮の関係の分析は興味深かったです。経済面では実質的な人民元経済圏に入ってもなお、独自外交を貫こうとする北朝鮮の姿に「わが国にもこれくらいの根性があればなあ・・・」と思ったほどです。
読後は暗い気分にさせられました。わが国はしばらくの間、「冬の時代」を過ごすことになるでしょう。そして、わが国の国家戦略は再考せざるを得ないでしょう。「アメリカの後をついていけば大丈夫」などという主張は論外だとしても、「平和」だの「護憲」だのと馬鹿の一つ覚えのようにただ繰り返すだけなら、結局は道を誤ることになるでしょう。憲法9条とは「イザとなったらアメリカが助けてくれる」という前提で成立しているものですからね。
ただ見方を変えれば、こうした環境は「アメリカの属国・51番目の州」という不名誉な地位を返上するいい機会になるのではないでしょうか?独自の国家戦略などほとんど持たず、ただアメリカの言いなりになっていたのが太平洋戦争敗戦後のわが国だったわけですから。まずは国際社会への無知や無関心から脱することと、逆境の中でも「国家の独立と尊厳を守ってみせる」という強い気概を持つことから始める必要がありますね。