「要するに僕は煽動を楽しんでいる」──こんな科白を引き出すインタビューに、敬意を払わずにおられようか!
これは、“四大奇人”の一人、康芳夫氏のひとことだが、彼の経歴を存分に知悉した上で読むと凄みさえ感じる。
サブカルチャーという言葉は、あまり好きではないのだが、康芳夫氏や川内康範氏がサブカルチャーの旗手だというならば、われらもサブカルチャーの旗の下に馳せ参じよう、と思わずにいられない。──それだけの「煽動」する力が、本書にはある。こんな淡々とした煽動もあるのだと、談話の魔力に引き込まれる。
強面(こわもて)で知られた川内康範氏が、繰り返し著者に名前で語りかける。「竹熊さん」と。──これが、いい!
もちろん、本書の全編に満ちている濃厚な「物語」は、そんじょそこらの三文小説が束になっても太刀打ちできないほどのものだが、それだけならば他で知ることができないものでもない。しかし著者のインタビュー原稿の神髄は、その節々にある。
ずけりと踏み込む、その姿勢は、苦笑しながら構えを解いてゆくという「奇人」の語りのプロセスをくっきりと読み取らせる。このあたりが、本書の最大の魅力だろう。
──それにつけても、たった四人ではもの足りない。ぜひ、続篇をインタビュー&刊行していただきたい。それだけの「人々」がいるだろうし、なにしろもっと、読みたい!