帯の写真が素晴らしいっ。本書の目次にも使われている、船が横付けされている写真が、この本の魅力を表していると思います。日本一・世界一の魚市場の素の表情でしょうか、素晴らしい写真だと思います。
本書は築地魚河岸語辞典なのだそうです。アイウエオ順に、用語が並べられていて、共著のお二人がそれぞれの築地への思いを綴られています。
読んでためになる歴史的な記述もたくさんありますし、「スポーツ新聞」や「缶コーヒー」といった築地で仕事をする人の生態も描かれています。
本書を読み通すと魚河岸の朝一が何時ぐらいで、引けるのが何時ぐらいかがわかりますし、平成13年に発表された江東区豊洲東京ガス跡地への移転問題についてもちょっと詳しくなれます。個人的には魚河岸文学と久保田万太郎のお話や、天麩羅の種として珍重される「銀宝」の話、魚の数え方で使われる「杯」「本」「頭」「条」の由来なんかを知ることが出来て楽しかったです。
ホント面白いです、プロの話って。
辞典とは言っても、誰が読んでも面白い、平成の東京築地市場の「魚河岸」の話になっていると思います。本書にふんだんに収められている築地で働く人々の姿をとらえた写真は、共著のおひとりである生田さんが撮影されたものだとは思いますが、一緒に働く生田さんだからこその写真になっていて、そちらも楽しいドキュメントになっています。写真と文章のバランスもとてもよく、「粋」と「意気」を感じる装丁も綺麗な本と言えると思います。
お買い得です。