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最も参考になったカスタマーレビュー
14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
良書ではあるが偏った内容,
By 時事無斎 (北海道) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 管弦楽法 (単行本)
この分野では古典とされる一冊である。原著者のベルリオーズからリスト・ワーグナーを経て補筆者であるリヒャルト=シュトラウスへと続く巨大オーケストラの系譜を中心に、管弦楽の技法が、個々の楽器のバリエーションから奏法・使用上の注意点・集団としての用法に至るまで懇切丁寧に解説されている。掲載されている譜例も、説明している楽器のパートだけでなく場面に応じてスコア全体も表示するなど、オーケストラ全体の中での楽器の位置を鳥瞰的に捉える視点が貫かれていて感服した。反面、内容が相当に偏っているのではないかという印象も受ける。特に、補筆者のR=シュトラウスが実際の用法の例として自身やワーグナーの作品ばかりを取り上げ、ブラームス・チャイコフスキー・ドヴォルザーク・ラヴェルといった同時代の名手たちの作品を全く採用していないのは問題だろう。巨大オーケストラの系列ではブルックナーがなぜか見当たらない。 オーケストレーションに神技を見せた両者だけあり、楽器の特性を知り尽くした解説はやはり参考になる。ただ、前述の通り基本的に大編成を前提とした内容のため、小さな編成や室内楽的な用法には必ずしも当てはまらないような記述も多い。例えば木管楽器のソロの響きは、大編成オーケストラの中では周囲の響きにかき消されてしまうかも知れないが、小さな編成の中であれば十分に輝くものだし、決してその魅力を軽視すべきでもないだろう。あと、これは純粋に個人的な感想だが、解説文の中でR=シュトラウスが心酔するワーグナーに寄せる「天才的な霊感」「これ以上見事な表現はありえない」といった大仰な賛辞が、私のようなアンチ=ワグネリアンには読んでいてかなり鬱陶しい。 確かに良書なのだが、一方で、かなり内容に偏りがあることも認識しておくべき本かと思う。逆に、その部分を取捨選択して読めるならば、非常に価値ある一冊であることは間違いない。
24 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
楽器の歴史・構造から譜例による実践的なガイドブック,
By FrenchWolf (茨城県石岡市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 管弦楽法 (単行本)
自分が今まで経験したことのある楽器(フレンチホルン、トロンボーン、チューバ、トランペット、コルネット、クラリネット、フルート)についての記述を読んでみましたが、ビックリしました。作曲家は単にその楽器の音域(安全なもの、不安定なもの、よく響くもの、効果が薄いもの)などは知悉しているだろうけど、せいぜいそこまでしか考えていないだろうなぁと思っていました。もちろん天才作曲家と言われる人たちは、和声の理論を知らずにも「生理的に気持ち悪い和音進行」や「響きの悪そうなオーケストレーション」は無意識に避けているんですよね。この本は、楽器の構造という観点から効果的なオーケストレーションを実現するという説明も実践的で、あたかも著者のベルリオーズ(後からリヒャルト・シュトラウスも手を加えています)があらゆる楽器の名奏者であるかのような印象を受けました。各楽器の歴史も分かるし、手元に置いて休憩するときにパラパラと眺めてみるだけでも面白いものです。
9 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
高いけど仕方ないか…,
By 里暁 (江戸根岸) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 管弦楽法 (単行本)
歴史的名著の待望の出版を音楽之友社に感謝したい。こんな値段の本とも思えぬ安っぽい装丁だが売れる量を考えると仕方ないか…内容は、管弦楽法について学びたい人にはまるで向いてない。それぞれの楽器法については徹底的に詳細に書かれている、とはとても言えない。それに何よりも内容が古すぎるのだ。ベルリオーズの時代、R・シュトラウスの時代(1904年頃)に則した楽器に関する情報や譜例なので、現代の人が知識もなく見ても分からないことが多い。オフィクレイドのことやスポンティーニの譜例を見てもあまり役にたたないだろう。 しかし、ここの所が本書の最大の魅力でもあるのだ。ベルリオーズやR・シュトラウスがオーケストラや音楽のことをどのように感じていたかのドキュメントとして読むと滅法面白い。19世紀の音楽家たちの世界にタイムスリップしたい人なら、まさに彼らの生々しいところを味わえるという書です。 管弦楽法を学びたいなら定番中の定番ー伊福部管弦楽法がある。日本に生まれてよかった!
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