1973年に刊行され、一度は増刷中止となり、今回は待望の復刊だそうだ。この本を副教材として扱っていた数学の先生も少なくなかったらしい。帯には、「江戸時代にも算数好きの女の子がいた!和算の世界へいざなうジュニア歴史小説」とある。
行間が広く、まず読みやすい。「なんで算数や数学を勉強しなきゃいけないの?」と思っている算数・数学嫌いの小中学生、逆に算数・数学大好きの子どもたちにもぜひ読んでほしい。
生活に必要で夢中になって算法を学ぼうとする貧しい子どもたちや、その子どもたちに教えながら、武士と対等に算法で勝負する少女おあきの姿は、とても爽やかである。
脇役として登場する大名、武士、俳諧人、医師、数学者、町の老若男女たちも、十分読者を楽しませてくれる。関孝和の流派と上方算法との対決も見所の一つである。