前作『筆談ホステス』もよかったが、この二冊目もいい。
この方が銀座の売れっ子ホステスだということは、容易にうなずける。
やはり、人格的にも優れている。非常に本質的思考のできる方である。
精神世界が豊かで、内容はそこらの自己啓発本に劣らないものがある。
彼女が引用する有名人の言葉は、サザンの桑田やタモリ、イチロー選手に始まって果てはバイクや車で有名なホンダの創始者、本田宗一郎氏や織田信長に至るまでー。実にバリエーション豊かだ。
大会社の社長や有名人など、人格も風格もある人物が客として来る事もある。そういった人物とも渡り合い、満足していただくために自分磨きを怠らないのだろう。教養の高さは素晴らしい。
パラリンピックが、何故感動的なのか。
それは、ないものに目を向けるのではなく、あるものを最大限生かそうとするところに、そしてなによりその一生懸命さに感動を覚えるのではないだろうか。
作者は、耳が聞こえないから会話によるコミュニケーションができない、というハンデにとらわれなかった。逆に、筆談ならできるという意外な方法を武器にして、健常者 (使いたくない言葉だが、他に」適当な語がないのでおゆるしいただきたい) を凌駕してトップに立ったのである。
私たちは五体満足なのに、あれがない」これがない、と自分にないものばかりに囚われて、不平を言いながら生きていないだろうか。
この斉藤さんを見習って、例え大きなことでなくてもいいから、自分ができる範囲のことを一生懸命やっていきたい。自分にある何かの強みを見出し、それを人のために役立てていくことができたなら、それこそが斉藤さんのように魅力的な人物になっていくための一歩だと思う。