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笹まくら (新潮文庫) 文庫 – 1974/8/1


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登録情報

  • 文庫: 427ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1974/8/1)
  • ISBN-10: 4101169012
  • ISBN-13: 978-4101169019
  • 発売日: 1974/8/1
  • 商品パッケージの寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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19 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 紫陽花 投稿日 2009/6/20
形式: 文庫 Amazonで購入
先の大戦で「徴兵忌避」した男、浜田の癒されぬ心の傷や周囲の偏見を通じて、「あの戦争が残したものは何だったのか」を追求した秀作。戦後(昭和37年頃か)、浜田は徴兵忌避した事を公には隠して大学の事務局に勤めている。しかし、徴兵忌避後、杉浦と名乗って、全国を砂絵師として苦難の逃避行をした事が忘れられない。ここで作者の技巧があり、浜田の回想シーンに入る際、何の断りもなく、単に名前を杉浦と変えるだけなのである(出奔後)。過去の回想と現在の姿とが交錯し、浜田の彷徨する心が巧みに映し出される。

浜田は積極的に徴兵忌避を選択したのだが、負い目を感じている。家族に、戦争に行った友人に、愛人に、そして自分自身に。それは、現在でも続いている。戦後なのだから、「「徴兵忌避」は正義だった」と主張する事も可能なのだが、実際には出来ない人間心理の綾が描かれる。そして遂に、昇進問題をキッカケに徴兵忌避の件が多くの人の知る所となり、左遷の通告。俗人の嫉妬と保身である。ここで過去の回想に入り、戦争に行く友人達と交す国家論・天皇論は作者の信条そのものであろう。軍隊・戦争嫌いの作者の願望が浜田を産んだとも言えるが、結末に向かって、徴兵忌避を決意した時の浜田と現在の浜田の"我儘"を中心とする現実把握力のギャップを冷静に記述している手法は流石と思った。浜田の妻の件も、逃避行中の愛人との対比で皮肉が効いて
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50 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 風流亭無芸居士 投稿日 2004/5/20
形式: 文庫
 この小説は、45歳の大学の事務職員の平凡な日常風景から始まります。どこから見ても、何の変哲もない中年男ですが、実は、かつて「徴兵忌避者」として、5年間日本中を逃げ回った過去を持つ人物だったのです。
 小説は、徴兵忌避者として孤独で不安な逃亡の日々を送る青年の姿と、20年後の中年の日々とを交互に描いていきます。二つの時間のコントラストが鮮やかであればあるほど、過去の日々が鮮烈に浮かび上がるという手法です。
 この手法は、うまくいっています。他にも、新聞記事の文体や、酔っぱらいのモノローグ(丸谷の独擅場!)など、文体の見本帳ともなっています。
 ジョイスを読んだことのある人なら分かると思いますが、眠くなった人の独白は、平仮名が多くなっていき、句読点も少なくなっていきます。そのへんの文章効果をじっくり楽しんでください。
 なお、この作品で最も見事なのは、最後の数頁です。倒叙法の記述により、哀切で叙情的な文章が、かつて例がないほど複雑な味わいを生む効果を出しています。
 やはり、これは傑作です。
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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 m.n 投稿日 2008/4/28
形式: 文庫
米原万里さんの絶賛評を読んで買いましたが、予想を大きく超える大傑作でした。
ごくごく平凡な大学職員である主人公。。。。
しかし、過去と現在が同時にフラッシュバックする独特の文体が、
主人公の脳裏を再現するかのような非常な緊迫感を生み出しています。
あの暗い時代の息が詰まるような苦しさ、、、
戦争とか徴兵の重みを、戦争の悲惨さを伝える類書とは違う、
まさに、自分の身の上に迫る内面の恐怖として、ひしひしと感じることができました。
そして、安寧かに見えた主人公の現在の生活にもラストで予想外の亀裂が。。。
これだけの深みある内容に加え、ミステリのような醍醐味まであります。
これだけの傑作なのに、米原さんが紹介してくれるまで聞いたことがありませんでした。
おすすめです。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 sayu 投稿日 2013/3/28
形式: 文庫
徴兵忌避者であった男の、戦時中、そして戦後の生きざまを書いた物語。

骨太の小説らしく、安易に読み手の興奮や情動を促すような手法を取って
いないので、昨今のエンタメ小説を読みなれている者からすると、読み通すのが
若干つらかった。
(勿論、ところどころ息を詰めて読んでいる箇所もあって、酔っぱらいの
独白のくだりや、後半部の友人三人のやり取りなど、個人的に好きな場面)

しかし…。
小説の最後、戦後は既成社会に属してまともに生きてきた(はずの)主人公の、
あるきっかけを通じて湧き上がる自由への感慨と新たな決断が描かれる。
そしてその直後に、今まさに徴兵忌避に身を投じようとしている若者の胸の内が
読者に明かされ、その現在と過去の描写が著者の「意識の流れ」の手法効果も相まって
物語の最後に、読む者に二乗のカタルシスをもたらす。
そして小説の最後の一文は、これまで読んでいたはずの物語の「新たな始まり」を告げる
ようで、読者に鳥肌が立つような気分を味あわせてくれる。
こうした瞬間って、自分の人生では味わえない、まさに小説でしか味わうことの出来ない
ものだと思う。

それにしても、最後の場面ではここまで読者の
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