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31 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本を代表する長編小説の一つで、言うまでもなく傑作です!!,
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レビュー対象商品: 笹まくら (新潮文庫) (文庫)
この小説は、45歳の大学の事務職員の平凡な日常風景から始まります。どこから見ても、何の変哲もない中年男ですが、実は、かつて「徴兵忌避者」として、5年間日本中を逃げ回った過去を持つ人物だったのです。小説は、徴兵忌避者として孤独で不安な逃亡の日々を送る青年の姿と、20年後の中年の日々とを交互に描いていきます。二つの時間のコントラストが鮮やかであればあるほど、過去の日々が鮮烈に浮かび上がるという手法です。 この手法は、うまくいっています。他にも、新聞記事の文体や、酔っぱらいのモノローグ(丸谷の独擅場!)など、文体の見本帳ともなっています。 なお、この作品で最も見事なのは、最後の数頁です。倒叙法の記述により、哀切で叙情的な文章が、かつて例がないほど複雑な味わいを生む効果を出しています。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「徴兵忌避」した男を主人公に、国家とは、自由とはを描いた秀作,
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レビュー対象商品: 笹まくら (新潮文庫) (文庫)
先の大戦で「徴兵忌避」した男、浜田の癒されぬ心の傷や周囲の偏見を通じて、「あの戦争が残したものは何だったのか」を追求した秀作。戦後(昭和37年頃か)、浜田は徴兵忌避した事を公には隠して大学の事務局に勤めている。しかし、徴兵忌避後、杉浦と名乗って、全国を砂絵師として苦難の逃避行をした事が忘れられない。ここで作者の技巧があり、浜田の回想シーンに入る際、何の断りもなく、単に名前を杉浦と変えるだけなのである(出奔後)。過去の回想と現在の姿とが交錯し、浜田の彷徨する心が巧みに映し出される。浜田は積極的に徴兵忌避を選択したのだが、負い目を感じている。家族に、戦争に行った友人に、愛人に、そして自分自身に。それは、現在でも続いている。戦後なのだから、「「徴兵忌避」は正義だった」と主張する事も可能なのだが、実際には出来ない人間心理の綾が描かれる。そして遂に、昇進問題をキッカケに徴兵忌避の件が多くの人の知る所となり、左遷の通告。俗人の嫉妬と保身である。ここで過去の回想に入り、戦争に行く友人達と交す国家論・天皇論は作者の信条そのものであろう。軍隊・戦争嫌いの作者の願望が浜田を産んだとも言えるが、結末に向かって、徴兵忌避を決意した時の浜田と現在の浜田の"我儘"を中心とする現実把握力のギャップを冷静に記述している手法は流石と思った。浜田の妻の件も、逃避行中の愛人との対比で皮肉が効いている。 題名は、古今集中の次の歌による。辛い逃避行中の一時の安息の想いか。 「これもまたかりそめ臥しのささ枕 一夜の夢の契りばかりに」
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
文句ない傑作です,
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レビュー対象商品: 笹まくら (新潮文庫) (文庫)
米原万里さんの絶賛評を読んで買いましたが、予想を大きく超える大傑作でした。ごくごく平凡な大学職員である主人公。。。。 しかし、過去と現在が同時にフラッシュバックする独特の文体が、 主人公の脳裏を再現するかのような非常な緊迫感を生み出しています。 あの暗い時代の息が詰まるような苦しさ、、、 戦争とか徴兵の重みを、戦争の悲惨さを伝える類書とは違う、 まさに、自分の身の上に迫る内面の恐怖として、ひしひしと感じることができました。 そして、安寧かに見えた主人公の現在の生活にもラストで予想外の亀裂が。。。 これだけの深みある内容に加え、ミステリのような醍醐味まであります。 これだけの傑作なのに、米原さんが紹介してくれるまで聞いたことがありませんでした。 おすすめです。
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