最終回になる作品。 これまで特に、面白く感じたのが「満男」と「泉」が登場してからのシリーズ 数作。
寅さんの甥っ子「満男」は「寅さん」が大好きで、人間性もどこか通じるものを持っている。
態度から性格まで どこか弱いか、引いてしまう処があって 本作でも、泉が好きなのに 婚約したとの報告を聞かされた満男は「はい、そうですか。(仕方がない)」と 言ってあっさり引き下がる 情けない展開になってしまうのだ。
性格が出ていて面白い。
でも、結局、満男はヤケを起こして 泉の結婚式に土足で踏み込み、台無しにしてしまう。
傷心の満男は、寅さん同様「旅に出る」。
舞台は沖縄に移る。 そこで、一緒に暮らしている寅さんとリリーと出会うのだが。
「フーテンの寅さん」というのは、思えば さくらや、家族に 心配ばかりかけて、何事かあると、ぷいと家を出てしまう。 シリーズ最初から そうした厄介な人物として描かれている。
観ている分には 楽しめるのだが 実際、寅さんのような 周囲をハラハラさせてばかりでいる、身内にこのような者が実際にいたら ドラマのように皆、困ってしまうだろう。
救いは、心配する妹、さくらの存在にある。
寅さんが 惚れっぽくて 所謂、劇中のマドンナに恋をするが 結局、失恋してしまうという パターンの物語だったが 満男が登場するようになってから とても、感性豊かな 面白い作品に仕上がっている。
満男の存在感は とても大きい。 どの作品も寅さんの旅と、豊かな情景描写によるロケーションは、素晴らしいものがある。 作品に流れる温かさは特筆ものだと思っている。 気持ちをいえばもっと、観たかったのだが言葉がない。