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主人公の思い込みが一枚ずつ剥がされていき、早逝した「バブル作家」の実像が最後にやっと焦点を結ぶ過程を追った描き方は、「贋作師」「カノン」「聖域」など一連の篠田作品と共通し目新しくない。文中に全く違った文体で「バブル作家」の文章が引用される書き分けのテクニックも素晴らしいが、「聖域」ほど読者を圧倒しない。
篠田作品では使い古された手法が安易に使いまわされているといえばそれまでだが、例えば能とコンテンポラリーダンスのコラボレーションで演出される彼岸と此岸の重なり合うモチーフは、篠田作品の通奏低音であり、次はどのような装束をまとって演じられるのかが楽しみである。
主人公の人生とバブルの女流作家の人生が交差し、
中盤までぐいぐいと惹きつけます。
ただ、後半から終わりにかけて、すっきりしないものを
感じました。エンディングも、個人的にあまり納得
できないものでしたが、こういうこともあるんだな、と
視野が広がった気分です。
謎は謎のままでも良いのかもしれない、というのと、
これじゃあ、あんまりだ、というふたつが混じりあった
そんな不思議な読後感がありました。
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