ものづくり立国の日本の技術の冴えが、発泡酒と「第3のビール」にも表れていました。高い酒税をかいくぐりながら試行錯誤を繰り返し、皆に愛飲される発泡酒と第3のビールを創り上げたメーカーに取材し、その秘訣を教えてもらった書籍です。
アサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリーの各社の技術者は惜しげもなく「発泡酒・第3のビールはなぜビールの味がするのか」に答えており、それが本書の根幹の話です。読んでいて疑問がはれました。
著者の夏目幸明氏の記述が読みやすく分かりやすいものですから、取っつきにくい本とは一線を画しています。飲料メーカーの関係者ではない、一般の読者にはその読みやすさが助かるわけです。
スーパードライの「化学」の項目では、大ヒットしたスーパードライの味の魅力を科学的に分析して解明していました。スターチに着目し、純粋なデンプンから純粋な糖へと加工する過程を研究した成果が、ビール市場の転換点を迎えたと書いてありました。
そこから、新しい加工技術を駆使して、次なる発泡酒と第3のビールの開発につながったようです。増税を回避しながらより美味しいお酒を開発する過程は、飲料メーカーの技術者の努力と工夫のエッセンスだったわけで、日本の技術水準の高さの証明のようなものだと感じました。
本書の章立てです。そもそも「ビール」とは何なのか 発泡酒へ至る道 発泡酒の登場 「第3のビール」とは何か 「糖質オフ」と「カロリーオフ」はどう違う? 「新ジャンル」とは何なのか