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第五番
 
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第五番 [単行本]

久坂部 羊
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

誰より医者が、劇烈な疫病を望んでいるベストセラー『無痛』の続編にして久坂部羊、第五の問題作。書き下ろし990枚。

エボラ出血熱(1967年ドイツ)、エイズ(81年アメリカ)、狂牛病(93年イギリス)、SARS(2002年中国)に次ぐ、つくられた“悪魔の疫病”No.5が突如、日本を襲った!--その名は、「新型カポジ肉腫」。

私立医学部の雄・創陵大学皮膚科の准教授教授・菅井憲弘【すがい のりひろ】のもとに送られてきた患者の病変は、これまで見たことのないものだった。表面には真っ黒いシイタケ状の肉腫。エイズ患者が発症するガンの一種「カポジ肉腫」と似ていたが、ウイルスがまったく別ものだった。さらに腫瘍が骨を溶かし、数日で全身に転移し、意識障害を起こして死に至る。エイズの、ガンの特効薬がまったく効かない。そして、数カ月のうちに日本列島に患者が同時多発したが、国も医療界もまったく手だてがなく、日本人を恐怖のどん底に陥れた。

内容(「BOOK」データベースより)

私立医学部の雄・創陵大学皮膚科の准教授・菅井憲弘のもとに送られてきた患者の病変は、これまで見たことのないものだった。表面には赤黒いシイタケ状の肉腫。エイズ患者が発症する皮膚がんの一種「カポジ肉腫」と似ていたが、ウイルスがまったく別ものだった。やがて腫瘍が骨を溶かし、数日で全身に転移、意識障害を起こして死に至った。エイズの、がんの特効薬がまったく効かない。さらに数カ月のうちに日本列島で患者が同時多発。が、国も医療界もまったく手だてがなく、日本人を恐怖のどん底に陥れた―。その名は、「新型カポジ肉腫」。

登録情報

  • 単行本: 554ページ
  • 出版社: 幻冬舎 (2012/2/10)
  • ISBN-10: 4344021274
  • ISBN-13: 978-4344021273
  • 発売日: 2012/2/10
  • 商品の寸法: 19 x 14 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 49,664位 (本のベストセラーを見る)
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エボラ熱、エイズ、狂牛病、SARS。
これらの疫病がもし意図的に研究室でつくられ、
特定の団体が世界に放ち、特効薬までもを操作していたとしたら。
得をするのはWHO?

本作では5番目の疫病が日本を襲います。

ウィーン在住の主人公・タメヨリは、
患者の外見からあらゆる病気を読み取ることができる優秀な医師です。
彼が日本へ戻り、5番目の疫病と闘うのがメインストーリーです。

書店で本書のプロローグを立ち読みしました。
特に、プロローグのどこまでが事実なのか判らない書き方と、
出版社が力を入れている作品なんだなあという思いからの購入です。

前半部分は、違う立場の登場人物がそれぞれ物語りを進めて、
痛みを感じない無痛症の精神虚弱者など、
キャラクターが立っていて物語に引き込まれました。
後半に向かってその物語が一つに収束する構成です。

『ジェノサイド』を読んだ人にとっては、
乱暴に言えば、縮小版ジェノサイド、のようなイメージでしょうか。

個人的には、ネタが面白いだけに、
気になった部分の多い作品でやや残念です。

中欧と日本を舞台にしているのに、
イマヒトツ伝わってこなかった物語の広がり。
愛に狂い中欧を迷走する部分がややくどかった。
(必要性をあまり感じない)

一番げんなりしたのが、
催眠術にかかった登場人物のラスト。
展開がご都合主義的で、それはないだろう、
という肩透かし感があって、私はとても残念でした。

書きおろしで990枚、1900円+税。
全体として面白い作品とは思いますが、
僭越ながら個人的には文庫で十分と思います。
(文庫だと上下巻でしょうか)
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
久坂部氏の著作はダークな筆致ながらも鼻白むほどの虚飾は漂っていない。
それどころか扇情的な筆の走りを極力排した無機質さすら感じるシンプルな文体なのだが、
そこになぜこれほどの、言うなれば暗渠の底の濁りを垣間見たような黒面が発生するのだろうか。

それは恐らく、テーマとする医療が孕んだ根源的な疚しさを正確に、淡々と切り取るからだろう。

医療をテーマとしたとき、文学であれドラマであれ、はたまたドキュメンタリーであれ、
虚飾から逃れられない。その虚飾を剥ぎ取ったとき、吹き出す業・人間そのものの獣性
の臭みに我慢できなくなるからだ。

著者が淡々と切り取る医療の一断面・人間の歯茎の臭さ、
誰もが目を瞑りたいと思うシーンは実は日常の中に潜んでいる。
そのことを気づかせてくれる異能の作家が久坂部羊だ。

本作であるが、同心円上に配された登場人物たちが、別々の地点で運命に翻弄されながら
緩徐に回転運動を始め、有機的な結合をしめしながら中心に向かって吸い込まれていき、
やがて破局を迎える。

巧みに配置された複線を丁寧に拾いつつ、ページを繰るごとに回転速度を増す
プロットは巧緻の一言。小説の旨みがぎっしりと詰まっている。
筆者により用意された「脅威」は深い医学知識と日本人の精神性への鋭い
洞察があって初めて与えることのできる脅威だ。

「脅威」という姿を通して、知識に裏付けられた普遍を抽出することに成功している
ことこそ、この小説の真価と言えるだろう。

筆者は登場人物の言動を通して社会に鋭い問いを発している。
しかし読後感に押し付けがましい余韻を全く感じないのは、
登場人物の造形やその主張が巧みに相対化されつつ綾織の様に重層的に織り込まれ、
その果てに「正・反・合」の弁証法的な昇華を遂げることに成功しているからである。

その結果、一面的で底の浅い「ありがちな医療モノ」に堕すことなくエンターテインメントと
文明批評の境目の絶妙な位置に物語が成立しているのが圧巻だ。

筆者の慧眼・問題意識、医学に対する深い造詣、溢れる文才が奏でる禍々しくも重層的な協奏曲の前には
巷に溢れる医療モノ小説・ドラマは鳥のさえずりにしか聞こえなくなる。

読了した時、筆者がこの物語に与えたタイトル・「第五番」の意味がくっきり立ち上がり、
その瞬間、異能・久坂部羊の前に誰もが兜を脱ぐだろう。
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7 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 中村
第五番目の疫病である「新型カポジ肉腫」が突如発生し騒然とする中、どこかしら覚えのある人物や事件が現れてくる。
「新型カポジ肉腫」のウィルスは誰かの陰謀によって作られたものであることが分かり、ウイーンと日本を舞台に、無関係と思えた人物が絶妙に絡む信じられない展開に引き込まれていく。ウィルスとの戦いに勝てるのか、陰謀者は誰なのか。それを暴いていくキーマンを窮地に立たせその後一気に謎解きが始まる。今迄になかったミステリーで最後まで緊張感を持って誘導された。
フィクションであると分かっていても、丁寧な描写に肉腫が立体感を伴い実在すると思えてくる。やんわり否定されている過分な治療やサプリメントも必要ないかも知れないと思えたりする。
覚えのある登場人物は「無痛」の登場人物のその後であることに読み終わってから気付いた。「続無痛」とせずにさりげなく続編を書くテクニックにこれからも目が離せない。
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