ベートヴェンSny.No.9は、1824年に作曲され、紆余曲折を経て同年5/7ウイーンで初演されました(当初はミサ・ソレムニスと第九のプログラムだったそうですが、凄いですね!)。しかし、この第九は演奏時間が長い(長さだけでは、エロイカも相当長い)、最終楽章に歌が入っている、演奏が難しい等の理由で中々再演の機会に恵まれませんでした。しかし、メンデルスゾーン、アブネック、ワーグナー、リスト、ベルリオーズ等は、各々この曲に深い感銘を受け、その再演に努力を注ぎました。しかし、反面ワーグナーは、今日では決して許されない、スコアーに自分の考えで手を加え、演奏したりもしました。
次いで、第九に力を入れたのは、ワーグナーの弟子ハンス・フォン・ビューロー、そして、マーラーです(ビューローに関しては、コジマとワーグナー、マーラーに関しては、第九のジンクスといった面白いエピソードもあります)。そして、第九の日本初演、日本人による初演ということであれば、1924年の東京音大による演奏、日本国内ということであれば、1918年坂東俘虜収容所でのドイツ兵による演奏ということになります。また、大晦日に第九を演奏するようになったのは、ニキシュ、本邦でのそれは、ローゼンシュトックだといわれています。そして、フルトヴェングラーとトスカニーニ、しかし、フルトヴェングラーは、政治的に利用されすぎましたね!また、彼は、再開したバイロイトでも第九を振っています(これが高名なバイロイトの第九)。そして、彼等亡き後の、カラヤンとバーンスタイン。
ウイーン国立歌劇場再開記念で、第九を振ったB・ワルター、ベルリンフィルハーモニー落成記念でのカラヤン、ベルリンの壁崩壊時でのバーンスタイン、1998年長野オリンピックで5大陸にまたがっての第九を振った小澤、そして、本年4/10東日本大震災後第九を振ったメータ(私は、これは鎮魂の為ではなく、人間手を取り合って、希望を信じようという前向きなものとして受け取りましたが)。これからも第九は、人類にとって大きな出来事が生じたとき、そのモニュメントとして、演奏され続けていくでしょう!!
著者の中川さんは、第九の歴史、意義を簡潔に纏め、解り易く解説しています。索引があればもっと良かったと思います。