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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
リアルで深い物語,
By ふくふく (宮城県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 第九軍団のワシ (岩波少年文庫 579) (単行本)
紀元117年頃、ローマのヒスパナ軍団が北に向けて進軍し、その後霧の中に消えるように消息を絶った、という事件は実際にあったことで史実なのだそう。 まず四千人以上もの軍団が消えたというのが不思議で、 事件の真相が語られるシーンは特に興味深く読みました。 またローマンブリテン時代の知識がなくとも、 読み終わるころにはこの時代のブリテンの事が分かる(と思ってしまう)くらいに 風俗や習慣がリアルに分かりやすく描かれています。 ローマの支配が及ばない防壁の北側と、 支配はされているが完全にはローマ化してない南側、 時々出没して民衆の放棄を煽るドルイド僧……など、この時代のブリテンの情勢も読むうちに分かります。 北の氏族が敵ではあっても悪者ではない所も良いです。 2011年に映画が公開されるそうで、ちょっと楽しみです。
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
青年の挫折と成長,
By カスタマー
レビュー対象商品: 第九軍団のワシ (岩波の愛蔵版 29) (単行本)
古代イングランドがローマ帝国の支配下にあった頃。マーカスは戦傷により軍人生命を絶たれてしまう。そんな彼に、かつて霧の中で消息を絶ったローマ第九軍団の探索の話が持ち込まれた。危険に満ちた北の辺境への旅がはじまる。「ともしびをかかげて」「銀の枝」へと続くサトクリフのローマ物の第一作です。 運命のいたずらにより、それまでの目標を失った若者。サトクリフの作品に繰り返し登場する主題です。彼は冒険の旅を通じて周囲の人間との絆を再認識し、新しい自分自身を見つけて帰ってきます。 一人の青年の物語でありながら、一方で歴史の大きな流れと個人とのつながり・無限に続く人間の未来への賛歌を描き出しているところが、サトクリフのすばらしい点ではないでしょうか。
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
アクイラ一族の五百年に渡る永い歴史物語が今幕を開ける・・・,
By
レビュー対象商品: 第九軍団のワシ (岩波の愛蔵版 29) (単行本)
紀元前1世紀頃、ローマ本国より若き騎士階級(本来は騎乗の出征兵を出せるほど裕福な商人階級を指す)の若者が本国ローマよりブリテンへ百人隊長として赴任した。彼の名は、いるかの紋章を家紋とするマーカス・アクイラ。かれはゴール軍団付属第四大隊の大隊指令として、初の指揮を取り、やがてドルドイの反乱に出会い、ケルトと闘い足を負傷、軍団を名誉除隊することになる。同じくブリテンの基地指令として現地除隊していた叔父のもとで静養中、ハドリアヌス防壁の彼方、カレドニア(スコットランド)の地で、かって父が副団長兼主席上級大隊長として指揮をし、全滅したと伝えられるヒスパナ第九軍団の軍団旗である「ワシ」の飾りが部族の守り神になっているとの噂を、叔父の親友の軍団長からきくことになる。マーカスは部族出身の奴隷で、親友となったエスカとともに、防壁を超えて、長く辛い「ワシ」探索の旅に出るのであった・・・。この話しを少年の頃に読み、大人になり塩野七生の「ローマ人の物語」の中で、紀元前117年に第九軍団がブリテンの防壁の奥で壊滅したとの史実の記載を見たときに、「ああ史実だったんだな・・・」と深いため息が出た。こののちもサトクリフ・ローマンブリテン4部作の中に脈々とアクイラの子孫たちが、その指にいるか紋章の指輪を嵌めて登場しては歴史の闇へと消えてゆく。最期の子孫、騎兵十人隊長のアクイラが、西ローマ帝国の崩壊を防ぐため、ブリテンを去る軍団を抜け、滅びさるブリテンの王朝へ忠誠を誓い闘い行くまで・・・永い物語の開幕です。
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