第七女子会彷徨は不思議な漫画だ。
電子化された幽霊だの多次元世界だの突然時間が止まったりだの不思議な現象、怪物が現れるからではない。
日常にするりと入ってくる上記のような不思議、しかしその不思議が僕達が日々暮らす日常と変わりなく珍しくも無い出来事としてその有様を淡々と描いていることが不思議なのだ。
軽くネタバレになるが二巻収録の「初恋解凍」
主人公の小学生の頃の同級生の男の子が冷凍睡眠から七年振りに目が覚める。
当然七年のギャップがあるので男の子にとってはショックがあるはずだしドラマもあるだろう。
読者としては涙のエピソードを期待してページをめくる。
しかし作者のつばなはそれをあくまでも客観的事実のみを淡々と描く。
「出来事」だけを淡々と捉えそれに対する人の心の動きはドラマチックには描かないのだ。
いや当然七年振りの目覚めた少年もそれと出会う七年前の同級生の主人公も心は動いているはずなのだ。
でもそこを漫画の描写として大げさに描かない、カメラは日常の表面に流れる事象だけをドライに捉える、全てのものを等価に日常の中のある出来事の一つとして処理するのだ。
「寝起きに写メを撮られる驚き」と「七年前の姿のままの友人と出会った驚き」が等価に描かれているのだ。
全編そんな感じで不思議事象を淡々と描かれるものだから不思議な空間と日常が自然に交じり合うなんとも素敵な世界が漫画の中に広がっている。
一番不思議なのは作者のこの視点である。
なんともワクワクする作家さんだ。