『現代思想』で笙野 頼子さんの特集があったときに、はじめて知った作家だったので、この本を買って、「タイムスリップ・コンビナート」を読みかけて、今一つ乗り切れなくて放っておいたところ、鉄道マンガ『鉄子の旅』の中で鶴見線の「海芝浦駅」(東芝の社員でないと下車できない駅)が出てきて、そういえばあれにあったな、と思い、また、読み始めました。
「タイムスリップ・コンビナート」「二百回忌」「なにもしてない」の3編とも、すすっーと読める箇所と、急に読むスピードが落ちる箇所とが交互に出てきたような気がします。作者の書く勢いのようなものは一定だけれども、文章の濃度がまちまち、という感じです。簡単にいえば、読み手を選ぶ小説であり、作家だと思います。
私は『二百回忌』が好きです。