あまりにも酷い映画。
川原泉さんのファンなので、映画はもちろん原作との比較になる。
「笑う大天使」として原作の映画化を謳っている以上、原作ファンの集客を期待しているということだから、「映画と原作は別物」などという言い訳はきかない。
宣伝するときに川原泉さんと原作漫画を引き合いに出したはずだしね。
さて、肝心の感想ですけど原作と大きくかけ離れていることは他の方のレビューを見てもお分かりだと思う。時間の都合で作品を短くする必要があったとしても、前後のつながりが悪すぎる。何の話だかさっぱりわからなくなっている。
それから制服の胸元が開きすぎていて本当に驚いた。「寒そう」という感想もうなずける。はっきりいって下品だし、体操着が「水戸黄門」に出てくる「くのいち風」だったのは驚きを通り越して笑ってしまった。
史緒の関西弁や史緒の兄の年齢設定(27、8歳のはずだが髪が白髪混じり)も疑問だ。
さらにはやたらとチキンラーメンを食べていた上に、他のお嬢様たちにチキンラーメンをふるまったり、ぜんぜん「お上品な世界の窮屈さ」を感じさせない。むしろ堂々と庶民をカミングアウトしている。
アクションシーンも変に多くて主人公の一人が巨大化する荒唐無稽さ。
「ファンタスティックフォー」とか「X−MEN」と間違えているのか…電撃出したり風起こしたり、変な超能力。
お嬢様たちのコスプレも言葉遣いも酷いし「オスカル」「ケンシロウ」「コロボックル」等の説明ナレーションもウザい。
大体いちいちナレーションでツッコミいれさせるのはなぜなのか。映像で見せずに言葉で聞かせるならいっそ朗読劇にした方が良い。
史緒の兄が妹に対する考えを述べるところは本人に言ったら意味が無い。
知っていても知らないふりをする。しかしお互いの気持ちを理解しあって兄妹の距離が縮まるところが良いのに。
ロケ地があからさまにハウステンボスってわかったりするのも、興ざめ。
無用なCGが多くてそれも興ざめ。ダミアン(黒の野良犬)がやたらとクネクネしていて気持ち悪い。
国語教師になるほどの日本通であるロレンス先生が外国語なまりな日本語を話すのも、学校の構えのわりに生徒数が少ないのも、失笑。
だが、それらの細かいことをすべて我慢しても唯一、許せないことがある。
クマのルドルフの扱いだ。
軽々しく扱うようなキャラではない。
自らの力量を考えずに「笑う大天使」を映画化しようとした監督や脚本家は今後二度と川原泉さんの作品に関わって欲しくない。
したがってこの商品を購入する際は、本編映画には全く期待せず、特典映像を買うという気持ちが必要だと思う。
もちろん、好みの問題ですけど。