日本最古の歴史記録とされる日本書紀と古事記のいわゆる「記紀」だけが正しい歴史を伝えており、それ以外にいくつも存在する神話時代を記録した文書は偽書だとされており、従って学校でも記紀の内容だけを教わってきた。
しかし、記紀は両者の間で記述が異なったり矛盾したりするところが多々ある上に、神話時代は荒唐無稽な描写に満ちており、実際に神武天皇以前の記述は想像の産物とされている。一方で、神話時代をより詳細に具体的に記述している竹内文書は偽書とされている。
この本では、記紀が成立したときの時代背景、偽書の代表格である「竹内文書」が偽書とされて世の中から葬り去られたときの時代背景などを詳細に説明しており、なぜ記紀が編纂され、竹内文書などが偽書とされたのかの理由がよく理解できる。その上でこれらの書物を見ていくと、今までとは全く異なる歴史が浮かび上がってくるところが非常に興味深い。
竹内文書を扱った本としては非常に読みやすく、我々の教わってきた歴史の信憑性の危うさを認識するという意味では有意義な本である。内容の真偽は別として。
それにしても著者独自の観点での謎解きにはいつも感心させられる。続編にも期待したい。