最近多い『14歳からの○○』というタイトルの書籍。その多くが実際には、分かり易さを前面に出した成人向けの入門書である。その点、本書は竹中さんが、実際に中学生や高校生向けに色んな所で行った「特別授業」をもとにして書かれたらしい。本の体裁(サイズ・厚さ・デザイン)もどことなく教科書っぽいし、出版社も教科書業界大手の東京書籍である!
内容も、確かに中学生にも受け入れられやすい優しい文体で、基礎知識を全く前提せずに基本の基本から説明している。が、しかし当然、竹中さんの経済観(市場主義)のバイアスは強く出ている。
中でもこれは悪質だと感じたのは、小泉元首相のリーダーとしての資質に対する、礼賛的なプロパガンダだ。いくら個人的に恩義があるにせよ、事情を知らない中高生に、特定の首相を1人取り上げ、「彼こそリーダーに相応しい人物だった」と言わんばかりの宣伝をするのはどうか。取り上げるなら、賛否両論ある人だと付記すべきだろう。
あと特に気になった記述2点。
◆P.31 120年間で日本の物価がどれ程上がったのかよくわからない理由として、「120年前と現在とでは、同じモノがほとんどないからです。」と述べている。そんなことないでしょー。お米とか農産物、公務員の年収とか、比較する基準はいくらでもあるでしょー。そこらへん適当にすっとばすと、ペテン臭くなるよ。
◆pp.72〜73で郵貯を国債で運用するだけでは存在意義は無く、リスクを取って企業に貸し付けたりして、民間運用すべきだと述べているが、個人向け小口国債の受付窓口の役割じゃダメなの?それで利ざやが出るなら十分存在意義あるとおもうけどなあ。現に民間の銀行なんかでもそんな所あるんじゃないの?