昔、男子バレーばかり見ていた時期がある。今の全日本の眞鍋監督が、一番若手で全日本男子チームのセッターをやっている頃だった。その頃、もう一人の全日本のセッターは米山さん。米山さんは180センチ、眞鍋さんは188センチの身長だったと思う。その頃、もう一人、古川さんという天才肌のセッターが全日本にはいた。ただ、彼のトスは天才肌すぎて、ついて行けないアタッカーが多かったように思う。それで、入れ替わりで米山さんが選ばれ、正セッターとなった。でも、その後、ほどなくしてさらに若い眞鍋さんが正セッターになっていた。
米山さんが正セッターになれなかったのは、身長の差だろうか。私は当時そう思った。チームのレフトには185センチ、センターには184センチという選手もいて、それでも世界と闘っていた時代だ。188センチならば、アタッカーとなっていてもおかしくない時代だった。でも、いろいろな記事を読んだり試合をテレビで見たりしている内に気付いた。眞鍋さんのトスは、相手チームからは読みにくい。表情も飄々としていて、なかなか読めない。そして、トスはアタッカーに合わせて、とても丁寧だった。この丁寧さは米山さんにも言えたことだが、おそらく、相手の裏をかくことにより長けていたのが眞鍋さんだった。だからこその起用だったのだ、と。今、全日本女子の監督は、その眞鍋さんだ。時代の移り変わりを感じる。
私が女子バレーを真剣に見るようになったのは、柳本前監督の時代だった(男子バレーを見ていた本当に初期の頃、その柳本監督は、まだ選手としてセッターをやっていたと思う)。男子バレーと女子バレーの違いはパワー。それで、昔は男子バレーばかり見ていたのだが、すぐに女子バレーの面白さに惹かれるようになっていった。そして、今まではどうしてもアタッカーに目がいってしまっていたのに、このチームでは、セッターの竹下選手に注目している自分が居た。
身長のことで苦しみ、悩み、周囲からは理不尽に責められ、どれだけの思いをしてきたことだろう。でも、そんなことは関係なかった。竹下選手のセッターとしての能力。それが、彼女が選ばれた理由だ。
竹下選手が好きだ。ともかく動く範囲が広い。普通なら上がらない位置でもトスを上げてくる。そして、レシーブ。普通なら上がらないだろう、と思うボールをあげる。そしてまた走る。トスを上げる。しかも、時にブロックも決める。初めは天才肌の人なのだと思っていた。でも、この本で、彼女は努力型の人なのだと思った。彼女のセッターとしての考え方が、この本にはよく書かれている。打つ側から見たセッター竹下選手のことも書かれている。そして、彼女がどの選手を買っていて、どんな風に後進を育てようとしているのか。それもよくわかった。
彼女がこれから、どこまで行くのか。チームがどうなっていくのか。これからも、応援していきたい。