前作「経済学的思考のセンス」で身近な出来事をもとに「経済学」を分かりやすく解説してくれた大竹先生。新聞や雑誌への学説寄稿も拝見しておりますが、好きな学者さんのひとりです。
本作も前作同様、経済学を豊富な事例と研究データの引用をもとに、直感的に分かりやすく理解できるよう、解説してくれます。
自説の主張というよりは、「こういう切り口で考えることも経済学なんだよ」と教えてくれているようで楽しくなります。例えば、「夏休みの宿題をためた人と所得の関係」とか、少し笑ってしまうような研究も大真面目に紹介してくれます。
論文としての一貫性、まとまりはありませんが、ショートコラムの集合体と考えれば違和感も多少和らぐかと。「格差論」が世の中に氾濫して久しいですが、悲観的になりすぎることなく、このくらいの軽いタッチで論じる風潮があってもよろしいのではないでしょうか。