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童貞としての宮沢賢治 (ちくま新書)
 
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童貞としての宮沢賢治 (ちくま新書) [新書]

押野 武志
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

宮沢賢治は生涯独身を貫いた。それを自己犠牲による高邁な思想と捉えず、彼の作品を性的妄想がうずまく不純な産物として読みなおすと、これまでとは違う賢治像に出会える。「童貞」として、他者との関係を自ら断っていく賢治の生き方は、現代のさまざまなコミュニケーション障害の病につながり、また絶対的な他者との同一化を目指すテロリズムの思想にも親和性をもつ。まったく新しい宮沢賢治の世界を俯瞰する、挑戦的な一冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

押野 武志
1965年山形県生まれ。山形大学人文学部卒。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。広島文教女子大学短期大学部講師を経て、現在、北海道大学大学院文学研究科助教授。専攻は日本近代文学。夏目漱石や宮沢賢治といった日本近代文学の正典批判を展開。本格ミステリ研究会(仮称)を主宰し、「後期クイーン的問題」に取り組み中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 221ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2003/04)
  • ISBN-10: 4480061096
  • ISBN-13: 978-4480061096
  • 発売日: 2003/04
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 102,630位 (本のベストセラーを見る)
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5つ星のうち 4.0 童貞という愛の形, 2007/8/29
By 
倒錯委員長 "今田祐介" (横浜市と夢半ば) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 童貞としての宮沢賢治 (ちくま新書) (新書)
本書は宮沢賢治が生涯童貞であったという事実を中核におきながらも、彼の作品論であ
る。『注文の多い料理店』、『銀河鉄道の夜』に代表される童話作家として、聖人のよ
うなあつかわれ方をしている彼を表の賢治だとすれば、この本で評論されているのは、
妹との近親相姦的な関係、人と上手くコミュニケーションできなかった一人の人間とし
ての彼、いわばウラ賢治である。
最終的に宮沢が描くのは贈与、とりわけ見返りを期待しない無償の贈与である。
無償の贈与とは相手に返礼されては、返礼しなければならないという負い目を感じさせ
てはならない。なぜなら、返礼が発生すれば即座にそれは贈与ではなく交換になってし
まうからだ。
交換とは、市場の原理であり権力と暴力を生み出す。そして贈与は交換に転化しやすい。
では純粋な贈与、無償の贈与とは存在しうるのだろうか。それを書くことが宮沢賢治の
仕事といってもよい。彼の詩「雨ニモマケズ」、この詩を最後まで読むとおかしなこと
に気づく。なぜ「ワタシ」はここまで利他的でありながら、それでもなおも「ミンナニ
デクノボートヨバレ」なければならないのか。それは、献身的であるということが贈与
であり続け得るには、感謝されることさえも望まずに尽くさなければならないからだ。
そして究極の贈与とは坂口安吾の言葉を借りれば「殺される覚悟でや」るべきなのだ。
見返りを期待し、また見返りを得た時点でそれは贈与ではなくなる。
このように無償の贈与は困難の道であり、それが究極の愛なのかもしれない。そう考えれ
ば、昭和初期の結婚相手のために童貞を保持し続けるという言説はまだまだ生ぬるい。な
ぜならそれは相手も処女であってほしいという条件付だからだ。これはいわば童貞と処女
の等価交換である。何の見返りもなく愛し続けること。その意味で生涯童貞であったとい
う賢治の人生観は無償の贈与を体現した生き方だったのかもしれない。
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31 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 セクシュアリティを中心にした考察, 2003/10/27
By カスタマー
レビュー対象商品: 童貞としての宮沢賢治 (ちくま新書) (新書)
宮沢賢治の生涯と作品を、当時、流布していたセクシュアリティの言説を中心に解読する。
ミシェル・フーコーの『異常者たち』や『性の歴史I』等と合わせて読むとますます面白くなる。
また、宮沢以外の文人も多く取り上げられており、そのエピソードも興味深い。
様々なインスピレーションを与えてくれる本。
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