談志師匠が亡くなったあと、師を取り上げてる新聞や週刊誌を読んでみると、
談志礼讃のオンパレードである(その中で、小三治師のコメントは異色だった)。
2012年2月号の東京かわら版(特集・立川談志)も、「ヨイショの粋」である。
わたしは、アンチ談志ではない。談志師も師の落語も好きである。
ただ、この2ヶ月余りのヨイショ文章・チョーチン記事の数々はちょっと食傷気味であった。
ブラック師のこの本は、適度に談志批判・揶揄が入っている。
柳朝師の葬儀のところなど、「江戸前の男」(吉川潮・著)と読み比べてみると面白い。
同じシーンでも書く人によってこうも違うのかと思う。
談志師のお弟子さんの一人が、「黒い御乱心」と言っていたが、質・量ともに
「御乱心」(三遊亭円丈・著)まではいかない(別に御乱心と比べることはない。この本はこの本自体でじゅうぶん面白い)。
大型書店の座読コーナーでいっきに読んでしまったのだけど、2月11日にブラック師の
「書籍付きの落語会」があり、それに行くつもりなので、本は購入しなかった。
行かなかったら買おうと思う。
しかし、借金が理由で除名になったのに、「本付きの落語会」ってどういうこと?!
なんというサービス精神!
芸人の鑑!!
内容としては、新しいエピソードは少ない。ブラック師が今まで言ってきたことや
書いてきたことが6〜7割を占める。
談志師について書いた文章って、「親談志」の人たちが圧倒的に多い。
(親談志ってあんまり聞かないけど、親米とか親中っていうから親談志)
親談志でも反談志でもない、中立な立場で談志師について書いた文章を読みたいものだが、
無理か…。
あと、志の輔師より上の8人のお弟子さんたち(文字助、里う馬、左談次、談四楼、
ぜん馬、談之助、龍志、談幸)。
この人たち、
「寄席に出られなくても大丈夫」とか、
「立川流は寄席に出られないんじゃない。出ないんだ」とか、
言ってるけど、寄席が大好きだよ。
寄席に出たいって思ってるよ。
それはこの本を読んで確信しました。
この8人から寄席出演の機会を奪ってしまった談志師は、やっぱりかわいそうなことをしたと思う。
このお師匠さんたち、常打ちの寄席、似合うよ‥‥。