70年代には優れたアクション映画が多数排出されましたが、これはまさしく傑作ハードボイルドの一角を占める作品。主役のチャーリー・バリック(原題)は奥さんと曲芸飛行で何とか生計を立てているしがない中年男性。世代の違うアンディ・ロビンソン(ダーティ・ハリーのスコルピオ役に匹敵する名演)扮する若者とこれまたしがない田舎町の銀行を襲い、奪った金が偶然(?)マフィアの隠し金だったことから、ジョー・ドン・ベーカー(彼のベトナム帰還兵ものの名作 ソルジャー・ボーイもDVD化して欲しい)扮するマフィアのヒットマンに執拗に追いまくられるというもの。
冒頭ののどかな田園風景から一転、「ゲッタ・ウェイ」を彷彿とさせる襲撃シーン以降、まさにアクションのつるべ打ち!
シーゲル監督の描く暴力シーンは、今日の映画のような不必要かつ緩慢なものではなくパンチの効いた小気味よさが最大の魅力。主役のマッソーの無愛想ながら時折みせる切ない優しさ
が、作品に一層の深みを与えています。
かつては、昼のテレビでもたまに放送されていましたが、こうした何度見ても飽きない作品は手元において置きたいものです。
それにしても、こうした職人技をもった監督がめっきりいなくなった今日のハリウッドの行末は、決して明るいものとは言えないことを痛切に感じます。