今年4月頃から突然始まった第三次くらいのマイ・キューブリック・ブーム。この機会に片っ端からamazonでDVDを購入、これでこれまで未見だった作品を含めてほぼキューブリック・ライブラリーの制覇とあいなったが、その最後がこの作品「突撃」となった。映画作品的にはDVDジャケット裏の解説通り、ぐいぐいと引き込まれ最後まで一気に見せる秀逸な戦争(反戦)映画であり、そして紛れも無く「キューブリック・ムービー」である。本作品のテーマに直接の関係はないが、「ユダヤの義人」としてのキューブリックの視点とメッセージが最も顕著に分り易い形で提示された映画である。他のレヴュワーの方も書いておられるが、最後のフランス兵慰問シーンは感動。画面に映る兵士達と一緒に涙してしまった。涙する兵士達1人1人のアップは鏡を見せつけられるようでもあり、それはキューブリックが観る側の感情を完璧に把握してコントロールしていることを示唆している。しかし、この最後のシークエンスの感動は映画のストーリーの直線的な大団円によるものでもなく、むしろこの場面は独立して突出した「エピローグ」であり、観ている側としては「訳も無く感動させられる」という感が強く、此の辺り「キューブリック・マジック」である。
もう一つ個人的に「!」と感じた点は、エンド・ロール。それは出演俳優ラッシュの心憎い「順番」だが、上記「エピローグ」同様観る側の感情を完璧に把握しているかのような順番であり、キューブリック映画鑑賞における信頼と安定の保証を示唆するものである。
カーク・ダグラスに「良さ」を感じ、この勢いで最後に未見で残った「キューブリック・ライブラリー番外編」の「スパルタカス」に臨めるとは、意図したワケではなかったが完璧なコースであり、我ながら今回の「2011年キューブリックの旅」は良い旅となった。