どうしても戦場の主役の戦車に目が行っていて、タイガー、パンターという方向ばかり見てしまっていましたが、戦場で実際にT34やシャーマンの進撃を食い止めるべく薄い装甲で果敢に働いていたのはドイツ特有の突撃砲だったのを知ってこの本を読みました。
当初の突撃砲のドクトリンは、防護された火器システムと即座の直接火力指向能力によって、前線地域ですべての状況下で歩兵に即座の直接支援を敵の重兵器の火力に打撃を与えて制圧することであるとされてり、突撃砲は砲兵の原理によって運用され第一線にある砲兵とみなされ、作戦の中心は集中であるこの原理の放棄は不必要な損失を招く。すべての行動において敵戦車の破壊は特に重要である。しかし、突撃砲を単なる戦車駆逐車と運用することを許してはならないことされていた。
戦争初期には榴弾、短砲身の突撃砲も多かったが、戦局の悪化に伴い敵戦車に対抗するため突撃砲は旋回砲塔を捨て去り、安価に大量に作られ、厚い正面装甲と強力な対戦車砲を持ち、遠距離から敵の戦車を、低い姿勢と相まって撃破したわけです。その最終形としてヤクートタイガー、エレファントといったあだ花も咲いたわけです。
現代の戦場では突撃砲、駆逐戦車の考えは戦車の進化に伴い無意味になってしまいましたが、当時のドイツはこれらを必要とし、戦線を維持するのにうまく運用したのは驚異に値します。もちろんほとんどすべての突撃砲も駆逐戦車もベルリンの陥落までに突撃砲兵や戦車猟兵とともにはかないものとなってしまったわけですが、そこに、何らかの美学を感じざるを得ません。