犯人側の思想や背景が一切描かれず、警察側の視点だけということで評価を低くする人が多いが、自分はそれは問題ないと思う。そもそも原作となる佐々氏の実録本がそういうものだし、どちらの視点も盛り込んで描いていったら、一本の映画としてまとめるのはとてつもなく大変になるだろう。
それよりも映画として問題なのは、録音が悪すぎることではないか? 役者の発音、発声が悪いこともあるだろうが、とにかくセリフが聞き取りづらく、大声で怒鳴りあい対立する場面では逆にうるさすぎる。
DVDやビデオで観ている場合はボリュームの上げ下げや、セリフが聞き取れず再度確認するための巻き戻しを頻繁にしなければならず、すごく面倒だし、何を喋っているんだかわからないことは大きなストレスになる。
テレビドラマ版は素晴らしかったのに、映画版はまるでダメだった「クライマーズ・ハイ」に似てるなあと思ったら、同じ監督。
そういえば本作の主人公を演じる役所広司と、「クライマーズ・ハイ」の主人公・堤真一の、魅力を感じられない演技&監督の演出も似ている。この監督、こういうタイプの作品を作ることに向いていない。
ちょくちょく挿入されるコミカル、と言うよりマヌケなだけの会話や行動も全く面白くなく、緊張感をそぐだけ。
重すぎる映画にならないよう、息抜きの効果を狙って入れたのだろうが、こんなに重いテーマを扱っているにもかかわらず、画面から伝わってくる緊張感が乏しいので、息抜きを入れる必要が元々なく、結果としては大失敗。 当時実際に現場にいた人達に対しても失礼だと思う。