登録情報
|
この商品につけられているタグ(詳細)タグをクリックすると、タグがつけられた商品、タグをつけた人が表示されます。※タグは初期設定で公開になっています。詳しくはこちら
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日常ミステリの最高傑作のシリーズ第一作,
By
レビュー対象商品: 空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (文庫)
北村薫の、この「円紫師匠とわたし」のシリーズは人が死なないミステリながら、謎解きの本格的な面白さと主人公が徐々に成長していく青春小説としても非常に完成度の高いシリーズ作品で、この後に続く「夜の蝉」や「秋の花」と同様に主人公の<わたし>が成長していく姿が連作短編集という形で描かれています。シリーズ第一作の本書では、主人公は大学の一年生。 友達と楽しく学園生活を送る女子大生ですが、どちらかといえばわりと地味目、メイクもあまりしない、落語と読書が大好きな女の子です。こう書くと、魅力的でないように聞こえますが、実際には優しいし地に足がついているしきちんと家のこともするしといったある意味文系男子の理想的な女の子です。それだからこそ、ときに批評的に「人間っぽくない」なんて書かれたりもしますが、彼女が日常の謎を謎解きのお師匠さんになる落語家の「円紫」師匠と話しているのを聞くと全然そんなことはなく、人間の暖かいところも素晴らしいところも底意地の悪いところもしっかりと理解できる、ある意味、年齢以上に人をじっと見ている人間だということがわかります。 そして、その視線はあくまで優しくて柔らかくて、それだからファンは何度もこの本を読み返すのだと思います。 とはいえ、作中では主人公はまだ大学の一年生ということで、行動範囲も狭く、出会う謎も身近なものが多いです。派手な事件も、複雑な人間関係もそうありません。が、逆にそれだからこそ、そんな彼女が日常でであう小さな謎から大きな見事な解決が提示されるカタルシスは他の本格ミステリに勝るとも劣らないものがあります。むしろ、日常のちょっとした謎や、不可解ないたずらのような事件から、人間の本性が見えてくるような気にさえなって、人が死なない普通の人のミステリをもっと読みたいという気にさせます。 短編連作集という形式なので、電車通勤の合間やちよっとした時間に一遍ずつ読めます。 猟期殺人やシリアルキラーや異常者が大量に出てくるミステリに疲れたら、ほっとひといきこういうのもいいんではないでしょうか。かなりおすすめの一冊です。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
新鮮な推理小説,
By キャロライン (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (文庫)
殺人事件が起きない推理小説です。本格推理にありがちな、エキセントリックな味を排除し、日常生活にありがちな些細な疑問から、そこに潜む人間心理を推察するのがこの小説の醍醐味、とでも言うのでしょうか。 本書に収録されている短編の『砂糖合戦』や『赤頭巾』などに、その醍醐味が顕著に 表れているような気がします。人がどんどん殺されていく小説よりも、この作品で 書かれる、日常生活の歪みから来る「些細な悪意」の方がよっぽど怖いと感じてしま うのは私だけでしょうか。 そういえば、作者の北村薫氏は元高校教師の男性ですが、『空飛ぶ馬』発表当時は 覆面作家で、職業はおろか性別すら明らかになっていなかったそうです。 そんなわけで、読者の多くは作者を若い女性と思っていたとか。でも、確かにこの 『空飛ぶ馬』を読むと、そう思うのも無理は無いかな、と思えるほど女性キャラの 描写が瑞々しかったりします。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
品格のある、透明感漂うミステリ風小説。,
By
レビュー対象商品: 空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (文庫)
女子大生である「私」の一人称で展開する日常。その語り口が見事な作品。「私」は感心するぐらい、普通の真面目な女子大生。文学部に通い、真剣に勉強している。 その私が送る通常の日々が、生き生きと描かれる。 この辺りは、「推理小説」でなく、「推理文学」を書いたフィルポッツの「赤毛のレドメイン家」を彷彿とさせる。とにかく上品であり、自然なのである。ただ、もっと自然で、肩の力が抜けている。 その中で、ふとした疑問が現れる。それは、多くの場合、些細な謎であり、通常は、忘れ去り、二度と思い出すことはない。しかし、本シリーズは、そこに鮮やかな謎解きを見せる、博識の落語家を登場させ、人の不思議さや奥深さを語りかけてくれる。 ミステリーではあるが、文学に関する作者の造詣も相まって、しっかりと読ませ、しみじみとした趣きが味わえる、良作。 文学の勉強にさえ、なります。特に、「六の宮の姫君」がそうです。 永遠に続いて欲しい、新しい古典となったシリーズです。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|