星を10個つけたいくらいの最高評価の本です。単行本が発刊された時にタイトルからして面白いに違いないと思っていましたが、待望の文庫版が発刊されてすぐに買いました。内容は期待を全く裏切らないものでした。ご存じのとおり三菱自動車のリコール隠し事件を題材にしたものですが、三菱グループという超大財閥企業と中小企業の運送会社との闘争という構図になっています。本書は直木賞と吉川英治賞の候補にあがった本ですが、もしかしたら三菱グループから圧力があったことで受賞できなかったのではないかとさえ疑わさせるほどリアリティがあります。筆者は人の命よりも社内的な保身のほうが重要な大企業の体質を痛烈に批判しており、大企業内で常識が世間の非常識となっていることにも言及しています。一例として出版社にも対しても広告費の削減を盾に報道をコントロールする実態なども明かされています。実際に本書もテレビドラマ化されていますが自動車業界からCMが取れなくなる可能性があるため地上波放送ではなくWOWOWでの放送でしか放映でえきなかった事実があります。それくらいショッキングな内容であることは確かです。ここ数年間に読んだ本の中で間違いなくベスト3に入る本です。