科学哲学による時間・空間の考察。物事の意味を問うのが哲学の特性であるから、時間と空間の科学哲学は特に物理学の最近の発展をふまえてその解釈を示すものであろう。科学哲学を語るためには、物理学にも通じている必要がある。
なかなか手ごわい学問分野だと思えるが、日常生活に必要なのは物理理論そのものより解釈だと思えるから、そうしたものへの導きが得られるのならこれは大変にありがたい。
本書では主にニュートンによる絶対空間の概念と、それに反論するライプニッツの関係説を対比して、現代物理学理論がどちらの立場になじみやすいかを考察する。とはいえ、前提として相対性理論や量子力学、宇宙論などの解説もあり、なまじの解説書よりもわかりやすい。
量子力学や超ひも理論に言及するあたりになると、哲学部分が少なくなって通俗的な科学解説書の色合いを帯びてくるところはやや不満。