そもそも「空爆」はヨーロッパ諸国の植民地制圧の手段として登場した。
以来、空爆する側の圧倒的な優位性を背景に
今でも繰り返されている。
そのとき言われるのが「紛争を早期に終結させるため」という言葉だ。
日本はアメリカ軍の空爆で何百人もの民間人が亡くなった。
さすがに今では、あの東京大空襲、神戸大空襲、広島、長崎……
といった大量虐殺空爆はなくなった。しかしイラクでもチェチェンでも、
相変わらず空爆は繰り返される。
セルビアがNATOの空爆を受けたとき、Jリーグのストイコビッチが
試合中にユニフォームを脱いで
「NATO STOP STRIKES」と書かれたアンダーシャツを観客に見せたのは有名な話だ。
落とす側の論理が世界を動かしているからこそ、どこかで空爆正当化の考えに
終止符を打たなければならない。
空爆によって泣くのは、多くは何の関係もない「民間人」だからだ。」
抑えた筆致で空爆の問題点を解説していく本書は、単なる反戦本とは違った説得力がある。