そうか、と思った。空海が中国語に堪能なのも、資金が潤沢にあったのも、そしてわずか半年で恵果からすべてを受け継いだのも、渡来することを期待され、会うことを楽しみに待たれていたのも、唐軍の中にあって戦果をあげ重要な地位につていた平城との親交のおかげだったとは。これで空海が単なる学僧ではなかったことが、わかった。能力がなければ認められないだろう。情報局的役割も担っていたに違いないと思う。
司馬遼太郎「空海の風景」夢枕貘「沙門空海,唐の国にて鬼と宴す」などの小説と併せて読むと面白い。
歴史書としても推理小説として読んでも,どちらにしても面白かった。