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空気と戦争 (文春新書)
 
 

空気と戦争 (文春新書) [新書]

猪瀬 直樹
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

太平洋戦争開戦をめぐってなされた、知られざる意思決定過程を追うことで、あの戦争に突き進んでいった、時代の「空気」を探究する。

内容(「BOOK」データベースより)

太平洋戦争という日本の針路決定の陰に、二十代、三十代の若者達の戦いがあった!東京工業大学の学生に向けた、目からウロコの名講義を再現。「時代に流されずに生きるとは」を熱く説く。

登録情報

  • 新書: 192ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/7/18)
  • ISBN-10: 4166605836
  • ISBN-13: 978-4166605835
  • 発売日: 2007/7/18
  • 商品の寸法: 16.8 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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49 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
知りませんでした。人造石油を戦時中に作ろうとしていたなんて!
知りませんでした。日米開戦をしたら負けるというシュミレーションが出ていたなんて!

太平洋戦争のイメージはいつもモノクロ。
戦時中の写真のせいだと思う。
無表情で敬礼する兵隊。
もんぺ姿にひっつめ髪で配給を待つ人々。
バラバラと戦闘機から落ちる焼夷弾。
不気味なキノコ雲。
「天皇陛下万歳!」で名誉の自爆。

あの戦争は日本は北朝鮮のように軍部に洗脳され
欧米列強にも「勝てる」という妄想にとらわれた負の時代。
理性とか、分析能力とか、リスクヘッジとか考えられなかった
天皇=絶対神、の哀れにも愚かな大和魂の教条主義。
と思ってた。

でも、意外と冷静だったみたいです。戦争前夜は。
戦争したらどうなるか、エネルギーの石油は持つか持たないか。
インドネシアの油田から運んでこられるかなど、あれこれ試算していたんです。
それがもう、ビックリ。

そんなに理知的で分析能力にも長けていた日本が結局なぜ戦争に突入したか?
猪瀬直樹氏はそれを「ムード」と位置づけています。
それは単に「なんとなく勝てそうな」というようなムードではなく、陸軍、海軍の思惑、
今でいうお役人のメンツや既得権益といった、狭い世界の淀んだ空気の中で
にっちもさっちも行かなく煮詰まっていく様子を指しています。
その過程に息がつまります。

猪瀬氏の「いまも起きていることと同じような日常性が日米戦を呼び込んだのではないか」という一文に、
歴史を繰り返す人類の悲しさと、逆に歴史を知ることから出発しなくてはならいという強い決意を感じました。
このレビューは参考になりましたか?
30 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
何故大東亜戦争に突入していったかを「石油」という切り口で、ルポタージュのように追っている。戦争に至るまでの東条英機と天皇のやりとりなど、知らなかったことが多く、緊迫感があり、小説を読んでいるようで面白かった。東条英機はむしろ戦争に反対だった。私は、大川周明著『米英東亜侵略史』を読んで、ABCD包囲網により、一滴の石油も入って来なくなり、アメリカからはハル・ノートと呼ばれる理不尽な要求を突きつけられ、あの戦争はやむにやまれぬ戦争だったと理解していた。この本の中で、「日本が満州から撤退し、中国の権益を放棄すれば、朝鮮と台湾くらいは残して貰える」という一軍人の意見を読んで、なるほどそうすれば、戦争は避けられただろうと思った。
しかしあの当時の新聞、国民の空気は「戦争へ」という熱病にかかっており、誰も満州から撤退などと言える「空気」ではなかったのではないだろうか?A級戦犯の東条英機はむしろ戦争反対であったのに、新聞や国民にはそれを許さない「空気」があったのではないだろうか?昭和天皇、東条英機、一部の軍人は「戦争をすれば必ず負ける」とわかっていたのに、それを言い出せない「空気」が、国民にあったのではないだろうか?そうだとしたら、日本人はもっと賢くなり、この「空気」に惑わされない「オンリーワン」にならなくてはいけないと感じた。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 内田裕介 トップ500レビュアー
形式:新書|Amazonが確認した購入
石破元防衛大臣が「全日本人必読」と推薦しているのを新聞広告でみて手に取った。
先の戦争の原因は、アメリカの禁輸により手に入らなくなった石油を南方に求めたため、というのが定説だ。また開戦前の調査やシミュレーションで日本に勝ち目がないことが政府にはわかっていた、というのも定説である。では、なぜ負けるとわかっていた戦争を当時の首相、東條英機は止められなかったのか。これが本書の主題である。
著者の猪瀬氏の結論はこうだ。
 「なぜ戦争をしたか。
  そこに軍国主義があったからという理由が全てではない。
  意思決定におけるプロセスのなかで(政策の重要な判断材料となる)数値のインプットミスとか、
  最終判断にあたっての自己責任の放棄とか、
  いまも(官僚社会のなかで)起きていることと同じような日常性が日米戦を呼び込んだのではないか」p167
また猪瀬氏はこうも指摘する。
 「天皇主権でも主権在民でもない官僚主権が(戦前、戦後を通じて)連続している」
今回(2009年8月)の鳩山民主党の政権奪取は、この観点でみると非常に興味深い。すなわち、明治以来150年の官僚主権主義からの脱却、を意味するからである。「全日本人必読」かどうかはわからない。が、民主党の政策を「結果的に日米開戦を呼び込んでしまった官僚主権からの脱却」という文脈でとらえてみるのは面白いと思う。読んでみて損はない。
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