97艦攻(雷撃機)電信員の戦記です。
3人乗りの艦攻(前から操縦、偵察、電信員)の中で、
電信員は一番地位が低かったそうです。
本書の「電信員はバラストか」という章にも
電信員の悲哀があらわれています。
筆者は、操縦、せめて偵察になりたいと、常に思っていたようです。
電信員は、通信機と後方旋回機銃の担当だったそうですが、
そんな電信員が機上でどう戦ったのかがよくわかります。
雷撃時の敵艦と自機の動き、爆撃時のコース取りなども図入りで
具体的書かれています。
空母乗組員の陸上基地での訓練の様子、出港時に喧騒、
航海中の様子なども書きこまれています。
戦闘機のパイロットの手記に比べ、艦攻・艦爆のパイロットの
手記は少ないです。さらに電信員の手記となると、極めて希です。
艦攻の戦い方、電信員の任務や心情がよくわかる貴重な良書です。
以下はこの本で書かれている筆者の履歴です
昭和12年06月 予科練入隊(第8期乙種)
昭和15年11月 飛龍乗組(99艦爆電信員)
昭和16年02月 昭和16年2月 中国福建省南平空襲
昭和16年12月 真珠湾攻撃
昭和16年12月 アメリカ領ウェーク島攻撃
昭和17年01月 インドネシアのアンボン空襲
昭和17年02月 オーストラリアのポート・ダーウィン空襲
昭和17年03月 セイロン島コロンボ空襲
昭和17年06月 ミッドウェイ海戦
昭和17年06月 飛龍沈没のため飛鷹へ転勤(99艦爆電信員)
昭和17年10月 ガダルカナルのルンガ空襲
昭和17年10月 飛鷹機関故障のため隼鷹へ転勤(99艦爆電信員)
昭和17年10月 南太平洋海戦
その後、台湾沖航空戦などにも参加したそうですが、
本書は、昭和17年10月の南太平洋海戦で終わっています。