ミッドウエー海戦の大敗の影に隠れて目立たないが、珊瑚海海戦、そして南太平洋海戦は、新造の大型正規空母”翔鶴、瑞鶴”を擁した日本軍と、米航空母艦との正々堂々の真向対決で、日本が辛くも勝ち戦となった最初で最後の空母決戦だ。
太平洋戦争での日米の空母対決は、事実上この戦いを最後に、痛み分けの形で終わったのだ。この戦いを終えた時点で、日米双方共に傷つき、稼動できる空母、艦載機、搭乗員が無くなったのだ。
この後は、ガダルカナル島を巡っての攻防が1年続き、やがて、数倍に増強された米軍に、一方的に押しまくられて終戦まで続く。
本書はこの歴史的な航空母艦対決に、99艦爆と共に戦った筆者の、希少な記録が含まれる。
せまりくる高角砲の火煙と、対空機銃の嵐の中、勇敢にも敵空母に突っ込み勝敗を決する必殺の250kg爆弾をぶち込み、しぶとく生き還った筆者の逞しさ、強運、そして、対照的に何もない南太平洋の広さと静かさが印象的でした。