1.個人的な購入目的
最近、空手を教える側にまわったので知らないうちに身についてしまった自己流のクセを教えてはいけないと思い、
書店で入門本を一つ買おうと思い探した結果、数ある伝統派空手の入門本の中でこれを選びました。
2.購入動機
この本は日本空手協会監修で、実際に写真・DVDに出演なさっている3人はもみな協会の大会でトップクラスの成績を収めている人です。
しかもそのうち2人は日本空手協会の本部指導員です。
したがって、ここに出ている基本は日本空手協会の公式見解と受け取って間違いないだろうと思い購入しました。
3.内容
内容は、他の入門本にありがちな個々の技を独立に説明するものでなく
腰を入れないその場基本から始まり、腰を入れる場合(前屈、後屈等)、運足、運足をまじえた移動基本と
体系的に構成されており、初心者から着実にステップアップできるように配慮されています
これは指導する側にとってもメリットになるのではないでしょうか
また極端な話、独学だけでも空手の基本となる身体操作が身につくようにつくられているといっても過言ではないように思います
その代わり、試合組手での技の動作(前進しながらの刻み突き等)やそのコンビネーションについては量的に少なく詳しく語られてはいません
しかし、コンビネーションの試合での有効性は相対的であることや、試合組手における組手スタイルはある程度の自由が認められており必ずしも公式の技として一定の動作を示すことは妥当とはいえないことにかんがみれば、分量を少なくするのは妥当だと思います。
それは基本を身につけるという位置づけである本書ではなおさらのことでしょう。
また、単純な技の動作以上に組手において重要となる、間合いの取り方や出合い、後の先などのエッセンスについては説明されており、
組手の奥深さについて必要最低限語られています
4.欠点
ただ、一つだけ説明が足りないんじゃないかと思ったのは、「極め」という概念についてです。
ところどころで極めという言葉が出てきますが、何のことを指すのかをこれと明示して書かれていません
極めに当たる説明(力の集中等)は散見されるのですが、「=極め」とわかるような記述がないので、これで初心者が見て「極め」という言葉が何のことかわかるのかというのは疑問です
空手経験者なら常識的にわかっていることではありますし、道場に通っている方はそちらのほうで習うとは思うのですが
「極め」は重要概念でありますし、その点で星一つマイナスです