著者は1947年生まれ、慶応大学卒業後、松下電器(現・パナソニック)入社、営業マンとして抜群の成績を挙げ、貿易研修センターでの海外トレーニー研修へ抜擢、選抜され、その後アメリカ松下電器へ出向、産業用ビデオカメラの販路確立に大きな成果を残した。典型的な「団塊世代の企業戦士」としてのキャリアを歩んできた人物である。
ただ著者の仕事振りで特筆すべきは、ふとしたきっかけで高校時代から始めた空手修行がそのバックボーンとなっている点である。たとえ言葉が不自由でも空手で培った積極性で単刀直入に課題解決に取り組んでいく著者の姿は、それまでのステレオタイプの日本人とは違った印象をアメリカ人に与えたようだ。空手はまたアメリカ人との「草の根」交流にも大いに役立っていく。そうした中で著者は次第に「人生をよりよく生きるための空手修行」に目覚めていく。
著者の猛烈な仕事振りはこれから海外で働く日本人、特に若い世代の人たちにとって、そのまま「参考書」として使えるものであるが、そこに衒いはない。著者はお金をいただく以上、お客様に喜んでもらうことは当たり前であると考えている。そして著者はいつの頃からか「お客様からの感謝を超えるものは何だろうか」と考えるようになっていく。その答えが「感動を与える人生を送りたい」という決意となって昇華したのである。
「感謝」から「感動」へ。定年を迎えた著者は最終的にマレーシアの地を選び、空手道場を開設し、そこでマレーシア人及び現地の日本人に空手指導を通じて人々に感動を与える人生を選ぶ。マレーシア人との交流を第一に、空手修行、読書、そして好きなゴルフ(年間200回以上!)という3つの三昧境で「人生の黄金期」を満喫している。
本書は空手に興味のある方、海外ビジネスについて知りたい方、ロングステイを考えている方には必ずや裨益するものであり、年齢問わず多くの人に読んでいただきたい。
1947年、愛媛県今治市生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、松下電器産業株式会社入社。松下通信工業を経て、1987年に現地法人の販売会社・アメリカ松下電器に赴任するため渡米。1995年に帰国し、松下通信工業、日本環境認証機構を経て、2006年に退職。現在、クアラルンプール在住。
全日本空手道連盟公認五段
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