「ザ・プロフィット−利益はどのようにして生まれるのか」(スライウォツキー著)の中で、指南役のデビッド先生が「フェルミ推定」のような数的感覚を養うためにアシモフの著書(Asimov on astronomy)などを読むべし、と曰う下りがあります。その推薦図書は原書も絶版で入手が難しいので、代わりに本書を読んでみました。
読んでみるとデビッド先生のメッセージが良く分かります。分かった積もりになっていることも、数字に直してみると、より明瞭に事実が把握できる、するとそこから更に考えが深まる、という事が具体例を通じて良く分かります。いったい何原子集まると生物らしくなるか、など数値評価の姿勢など見習うべき処が多いですね。科学的事実としては既に古臭い処もあり注意を要しますが(例:元素の数、冥王星)、「数字で理解する(見える化)ということ」という意識で読めばかなり面白い本です。エントロピー/マックスウェルの悪魔の説明とか、一般人には難しい物理も("トリビア "なことにも触れながら)軽妙にサラッとやってしまう筆力には脱帽です。
「難しいことは易しく、易しいことは面白く、面白いことは深く」という研究者的態度が学べる好著ですね。