事故で女の子を死なせてしまった6年生のハルは、自殺しようとしていたときに、死んだ女の子の親友、花歩に偶然助けられ、出会う。
花歩は、小さい頃に父親から虐待され、母親に捨てられるという重い過去を抱えながらおじいちゃんと二人暮らしをしている。
辛い思いを抱える6年生の男の子と女の子が、死んでしまった女の子を通じて偶然に知り合い、辛い苦しい思いを抱えながら、それでも前を向いて歩いていこうとする。
「どうしようもないことって、起こるんだって、わたしは知ってるから」
と花歩は、自分の親友を死なせてしまったハルを受け入れる。
そして花歩の家の屋上に、死んだ女の子が夢みていた屋上庭園を作ることにする。
この二人がめちゃくちゃ健気だ。
そしてこの二人を支える「イザさん」という50代のおじさんと「キッペイ」という大学生がまた良い。
特にイザさんがカッコいい。
甘すぎず、冷たすぎず、いつでも一歩離れて、いつでも温かく見守っている。
「他人が、誰かの、悲しみを癒すことはできない。苦しみを取り除くことはできない。そこから立ち直るのはどんな時代だろうとどんなときだろうと、その人間個人の力なのだ。その人間がそういう思いにならなければ、何も消えていかない。
だが、周りにいる者は、その手助けはできるはずだ。
大人は、しなければならない。
子供たちが進むべき道を、指し示してやらなければならない。」
子供はいつでも守るべき存在なのだ。
そんなメッセージが聞こえてくるお話だった。
そして、誰かが温かい心で支えてくれれば、どんな苦しみにも立ち向かっていけるのだと思わせてくれる。
最後までスッキリとわからないことがあったり、イザさんの最後がちょっと出来すぎって感じもあるけど、それでも、この読後感の温かさは小路幸也ならでは。
やっぱりこの人のお話、大好き。