2011年11月1日のNHK総合『視点・論点』において
共著者の長田弘先生が自らの考えを述べておられた。
現代の大人は一日を多様に細分化して,1時間,1分,1秒を
できるだけ効率的に消費することを求められており,
大きく連続した時間として1日を見通す,見晴かすことがない。
一日を窮屈に過ごし,見通しのない生き方をしているので
毎日が退屈で平凡な日々の繰り返しと感じるかもしれない。
しかし,朝が明けて,日が高くなり,やがて日が暮れていく,
そのようにつながって,だんだんと変っていく一日は,
ありふれた奇跡とも言うべき,かけがえのない一日である。
そのことを私たちに今さらながらに思い出させたのは
今年の東日本の大震災であった。
大人とちがって,子どもは一日をあたかも人生のように
生きている。大人もそのように一日を見つめて,一日の
時間を豊かにしていくような生き方の姿勢を身につける
ことから始めることが今求められているのではないか。
以上が放送内容の要旨である。
恥ずかしながら,私は「見晴かす」という言葉を初めて知った。
長田先生も,一日を見通す,見渡す,見晴かす習慣が失われる
と同時に,それらの言葉じたい忘れられつつあると嘆いている。
もちろん,このような目線を遠くにおいた,ゆっくりとした
生き方を実践したくても現実には難しい人のほうが多いだろう。
しかし,大きな連続としての一日を見つめることの大切さを,
私たちはこの絵本から「だんだん」思い出していきたい。
(なお,私がつけた星の数に意味はない。)